日本語空間

2020年10月25日

背水の陣

今日は、現在レッスンを受けている留学生の一人が、

日本で初めて大学入試の筆記試験に臨みました。

朝早く、最後のメッセージを送り、檄を飛ばす私。

大学が個別に作成する入試問題は、癖があったり

難易度が一定しなかったりと、なかなか手ごわいです。

昨年の過去問題が、やや難しかったので、少々ひるんで

いたものの、今日は時間内に解き切るという課題を、

見事に達成しました。

初めての面接も、意外に緊張しなかったようです。

新しく買ったスーツも、似合っていたのではない

でしょうか。

「背水の陣」ということばがあります。

川(水)を背にして、一歩も退けないところに自身

を追い込み、奮い立たせることで全力を尽くすたとえ。

このような経験は、しかし、一生に何度もなく、

であるからこそ、その地点を超えたときには、一気に

経験値が上がっているはず。

おそらくは、自分自身でも気づかぬうちに――。

  酒井抱一「夏秋草図屏風」(部分)

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