日本語空間

2020年5月29日

自己PR

最終更新: 2020年8月1日

これまで、就職や転職活動に際しての「自己PR」の書き方に

ついて、何度もアドバイスをおこなってきました。

実際に、就職活動全般に関するハウツー本は、たくさん出ていて、

各大学にも就職支援センターはあります。

しかし、主たる対象は、日本人学生なので、留学生は、やはり

外国人であることの「強み」を、スマートにアピールするのが

よいと思われます。

私は、最初、指導をおこなうまえに、いったん学習者にまかせ、

自己PRを書いてもらいます。

なれていないので、仕方ない部分もありますが、共通した特徴に、

1.無難(ぶなん)すぎる。

→どこかから取ってきたコピペのような印象。

2.書くまでもないこと、を書いている。

→字数を稼いでいるだけのようで、気持ちがこもっていない。

といった点があります。

つまり、完全に間違ったことをいっているわけではないし、あから

さまに不真面目でもないのに、自己PRの「PR」そのものが、脱落

しているのです。

そこで、何がよくないかを指摘した後で、「自己分析」に入ります。

私自身、「自己PR」のハウツー本に目を通したことはあります。

確かに参考にはなりますが、資格試験のように、一つの答えに対し、

ただ一つの答えがあるわけではないため、万能ではありません。

やはり、学習者の数だけ、自己PRはあるので、第三者のアドバイス

が不可欠と考えられます。

自己PRを、履歴書に書くものに限定せず、広義の意味で捉えるなら、

論述においても、同様なことがいえます。

どういうことかというと、ただ内容が正しければよいのでなく、むしろ

必須な「オリジナリティ」の部分が、自己PRに該当するでしょう。

実は、上述した二つの傾向は、長い文章、論述経験が少ないひとの

陥るマイナス点です。

→レポートなら、ぎりぎり「可」でパスするかもしれませんが、高い

レベルを求められる論述では、点数がつきません。

現実に、ライバルは大勢!

その中から、ジャッジする人間の「目に留まる」ような、生きたことば

が大切なのです。

      

       ブロッケン現象

 猪熊隆之 撮影

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