日本語空間

2020年10月12日

想定外の質問に答える

先日、大学入試の面接練習で、以前に出さなかった質問を、

抜き打ちで、ある学習者の方にぶつけてみました。

Q:現在、コロナ禍により社会全体が機能不全に陥っています。

  このような時、われわれはどのようにして過ごしたらいい

  でしょうか?

A:はい。今は、その分時間があるので、忙しい時には考えら

  れなかった将来のことについて、しっかり考え、 準備

  するのがいいと思います。

私は感動しました。

自分自身の表現になっているし、内容そのものだけでなく、

最初「ちゃんと」と言いかけたのを、「あ」と気づき、

「しっかり考え」と直せたのが、非常に良かったです!

※「きちんと考え」は、✖ではないが、△くらい。

男性の学習者ですが、自分でも「人見知り」をする性格だと

いう物静かな方です。

面接自体初めてで、どう答えたらいいかわからないとのこと

だったので、模範解答を提示して、それをアレンジしながら

自分のことばに変えていっているところでした。

そのままでなく、少しくずしてもいいんですよ、と伝えたにも

かかわらず、くずし方自体わからず、ほぼ暗記したものを

発話するという繰り返しだったのですが。

この抜き打ちの質問に対する答えが、自信になったらしく、

ようやく笑顔が見えました。

あえて厳しく見れば、これでも最上の内容とは言えず、より

高度な答えをする留学生もいるでしょう。

しかし、面接でもっとも大切なのは、答えづらい質問が出さ

れても、黙ってしまわないことです。

→すぐ出てこなくても、「はい」と受け止めながら、脳内を

高速回転(!)させ…面接上級者になれば、このような時こそ

気づかれないよう笑顔を浮かべつつ…

模範解答的な答えを、「再生」するような感じで話したと

しても、準備の労力が買われ、評価は悪くないと推測され

ます。

就職試験とは異なり、面接官は大学の先生なので、若干

たどたどしさがあっても、ポジティブな内容の答えを学生

らしく爽やかに伝えれば、合格基準を満たすでしょう。

さあ、内面の自信と、外面の謙虚さで臨むのです!!

女子の場合、髪を束ねるのは良いですが、

色も「黒」の方が無難でしょう。

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