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2020年4月24日

映画『合葬(がっそう)』

最終更新: 2020年8月1日

少し前から気になっていた映画『合葬』(2015)を、

huluでみました。

→無料キャンペーン中だったので!

原作は、杉浦日向子(すぎうらひなこ)のコミック。

合葬は「合同の埋葬(まいそう)」の意味。

最近ブログで言及した近世から近代への劇的な時代

の転換期の物語です。

※以下、ネタバレを含むので注意してください。

親友でありながら、志(こころざし)を異(こと)

にする3人の士族の子弟(してい)が、同じ運命に

巻き込まれていきます。

「勝てば官軍、負ければ賊軍」ということばが、

実感されます…

主人公の極(きわむ)がいう「上様(うえさま)」

とは、天皇ではなく、最後の将軍・徳川慶喜

(とくがわよしのぶ)のこと。

映画のなかでは、青年たちの一途(いちず)さが、

上の立場の人間に利用される面が描かれています。

冷静に考えれば、歴史上めずらしくない事象であり

ながら、みていて無念さが湧きます。

毎年お花見でにぎわう上野の山を血で染めて、彼ら

は、生き急いだのでした。

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