日本語空間

2020年12月29日

立ち上がることば

忙中閑あり(ぼうちゅうかんあり)

などと優雅に言ってみたいですが…

そうではなく、何とか時間を作り、どうしても

行きたかった展覧会の最終日に滑り込みました。

「人生100年時代」は、今日のキーワード。

しかし、平均寿命がそこまで長くなかった時代

に、亡くなる前日まで現場で指揮をし、まさに

天寿をまっとうしたのが、建築家の村野藤吾氏

(1891-1984)です。

無論、個人の能力も高かったのでしょうが、

2度の大戦を経て、戦後に才能を開花させたの

は、よほどタイミングに恵まれた例ですね。

代表作は、70歳を過ぎてから取り組んだという

のも驚きです。

身体だけでなく、頭脳が、現役で明晰さを保て

るなら、それ以上すばらしいことはない、と。

仕事の細部もさることながら、私は、村野氏の

残したことばに、静かに打たれました。

論文を書くとき、平面的でなく、いかに立体的に

書くかということに、心を砕きます。

その意味でも、異分野から謙虚に学びたい、と

希望しています。

  「ハシバシ」は「端々」のこと。

  カタカナ語が、現場っぽく臨場感

  があります!

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