日本語空間16 時間前2 分光いつもの5月なら、陽光が降り注ぎ風もさわやかで、 いちばん過ごしやすい季節のはずなのに、今年はやけ に雨が多く、天気が不安定だ。 何でもラニーニャ現象により、梅雨が早く到来する かもしれないとのことで、少々落胆している。 だが、今日は久しぶりに青空が広がり、外を歩いて...
日本語空間5 日前2 分「見えるもの、その先に・・・」大学院に入る前は、美術作品の抽象表現に、特別惹かれる ことはなかった。 おそらくは無意識に、あらかじめカテゴライズされた形式 のなかで、硬直した捉え方をしていたせいと考えられる。 ちなみに、私の専攻は美術や芸術ではない。 だが、近代における科学史と芸術史の交わる地点には、...
日本語空間7 日前2 分離れたもの同士を結ぶ論文の指導をおこなっていると、自分自身の研究と は異なる分野の本を大量に読むこととなる。 それが、非常に知的な刺激をもたらしてくれる。 単に、知識の「量」が増えるというのではなく、 小さな点がつながっていき、線となっていくのは ありがたい。...
日本語空間5月8日2 分「懐疑」する姿勢だいぶ前に、「出藍(しゅつらん)」というタイトルで、記事を 書いたことがある。 学生の優越を素直に認められる師は、彼(彼女)自身、すぐれた 人物であるという内容だったと記憶している。 たとえば、相手が誰であっても、自説を否定されたら、よほど修行...
日本語空間5月7日2 分コンテクストの中で考えるゴールデンウィークも明日で終わる。 新年度は4月からだが、実際、どこでも本格的に学業や 仕事が開始されるのは、連休明けからだろう。 緊張と期待の入り混じるシーズンでもある。 昨晩も、課題にしてあった短い論述を、授業の中で添削 しながら解説をおこなった。...
日本語空間5月3日2 分複文―短すぎず、長すぎずに―4月の後半は天気が荒れ模様で、何となく気持ちまで 晴れなかったが、ゴールデンウィークに入り、やっと 初夏らしい陽射しに出会えた。 一般の人と反対に、週末仕事が入っているため、私は 週の出だしが遅くなりがちだ。 ブログも、うっかりしていると週半ばまで手つかずと...
日本語空間5月1日2 分良い文章にはリズムがある良い文章にはリズムがある。 論文に、美文調は求められていないが、読みやすい 文章、読んでもらうための文章となれば、リズムを まったく無視することはできない。 論文の添削をしていると、文章表現のこまやかな部分 にまで意識を欠かさない外国人学習者の方に出会い、...
日本語空間4月30日2 分「スケール」考深さ1000メートルの鉱山の立坑の入口からハツカネズミを 投げ落とすと、ハツカネズミは底に落ちた瞬間、わずかな 衝撃を受けるが、そのままどこかに逃げ去ってしまう。 だが、ドブネズミの場合は死に至り、人間はバラバラになり、 馬はもはや姿をとどめない。...
日本語空間4月26日2 分関心を突き詰める―「何」を「どう」書いたらいいのかの質問に答えて―論文を書こうとしている学習者の方にカウンセリングを おこなっていると、そもそも「何」を、「どう」書いて いいかわからない、という意見を聞きます。 そこで、踏み出すためのアプローチとして、堅苦しく 考えすぎず、元々の「関心」を生かすというのも一手です。...
日本語空間4月24日2 分専門性と教養教養は、単体で役に立つものではないが、それがあるか ないかで、「知」の質も変わってくる。 少し前に、フリーマン・ダイソンの著書について書いた。 1923年、イギリス南部で、弁護士の母と音楽家の父の間に 生まれたダイソンは物理学者で、朝永振一郎、ジュリアン・...
日本語空間4月23日2 分リセットしてあらたなコースへ地元の市立図書館の貸出冊数が、4月から10冊に なった。 以前は、6冊だったが、コロナの感染拡大により、 室内で過ごす時間が増えたことが影響しているの だろう。 市民からのリクエストも多かったのではないか、 と想像される。 県立図書館と合わせて、合計20冊まで借りられる...
日本語空間4月20日2 分推敲また推敲審査の存在する論文は無論のこと、依頼されて書く「寄稿」も、 その扱いに恥じないよう、いったん書き上げたのち、推敲を 納得がいくまで繰り返す。 推敲を経ない論文を、論文とは呼べない。 たとえ大家であっても…否、大家であるほどに、抜かりなく 推敲をおこなうだろう。...
日本語空間4月5日2 分書くことに向き合う現在行っている授業のなかでは、書くことに対する 苦手意識を軽減するため、まずは短文を書いて もらっている。 それまでに長い文章、論理的な文章を書いた経験が なければ、いきなり論述をおこなうことは不可能 に近いからである。 だが、短い文であっても、続けて書いていくうち...
日本語空間4月3日2 分中心/周縁春は天気が変わりやすい。 昨日も予報が外れ、夜から雨となった。 しかし、春の雨は、季節が明るい方に向かう兆しを はらみ、優しく降り注ぐようだ。 その音を耳にしながら、眠りに就くのは、ふしぎと 心地よい。 一方で、混沌とした世界の状況を見やれば、自分だけ...
日本語空間4月1日3 分不可視の領域から先週は、日本各地で大学の卒業式がおこなわれており、 人数制限をしつつも、多くの学校が対面形式を用いて いるようすがうかがえた。 いくつかの動画を見たが、卒業生の一部がユニークな 仮装をこらす一方で、含蓄のある総長のことばが好対照...
日本語空間3月26日2 分文章の力研究会に送る原稿の締め切りが、4月中旬に迫っているにも かかわらず、なかなか手がつけられないでいる。 元々、書き始めるまでの助走が長いほうで、可能な限り参考 文献に目を通し、全体の見取り図が決まったら書き出すのが 常なのだが、今回はどうにも重い腰が上がらない。...
日本語空間3月24日2 分抽象的思考自身を取り巻く「何か」に違和感をおぼえ、モヤモヤが 消えないとき、抽象的な世界に想像を馳せる。 すると、それこそが「現実」と錯覚していた具象的な 形象に彩られた世界は、あくまで一つの虚構に過ぎない ことが見出されるのだ。 妄想でもオカルトでもなく、抽象的世界は、それを...
日本語空間3月22日2 分自分だけのテーマを設定する大学院時代を振り返り、研究における苦しさとよろこびを あらためて比べれば、確実に後者の方に軍配が上がる。 決められた“枠”の中で、良い成績を取ることを目指す大学 時代と大きく異なるのは、研究行為の中核となるテーマを 自身で自由に設定することだ。...
日本語空間3月19日1 分ブレインストーミングをおこなう理由日本の大学院に進学したいが、何から手をつけていいか わからない、という外国人の方は多いと思われます。 便宜的な問題もありますが、あえて逆算し、最も重要な点 を挙げれば、それは研究にあたり、自分自身のテーマを 持っているかということになります。...
日本語空間3月17日2 分漢語は文章の要(かなめ)昨日の授業で、学習者の方に書いてもらった文章を見て、 直接、問題点を指摘していくなかで、漢語の“ズレ”が 気になった。 JLPTのN1には合格しており、会話は流暢だが、より きちんとしたことば遣いを身につけたいと、日本語の ネイティブレベルを目指している方である。...