日本語空間7 日前2 分離れたもの同士を結ぶ論文の指導をおこなっていると、自分自身の研究と は異なる分野の本を大量に読むこととなる。 それが、非常に知的な刺激をもたらしてくれる。 単に、知識の「量」が増えるというのではなく、 小さな点がつながっていき、線となっていくのは ありがたい。...
日本語空間5月7日2 分コンテクストの中で考えるゴールデンウィークも明日で終わる。 新年度は4月からだが、実際、どこでも本格的に学業や 仕事が開始されるのは、連休明けからだろう。 緊張と期待の入り混じるシーズンでもある。 昨晩も、課題にしてあった短い論述を、授業の中で添削 しながら解説をおこなった。...
日本語空間5月3日2 分複文―短すぎず、長すぎずに―4月の後半は天気が荒れ模様で、何となく気持ちまで 晴れなかったが、ゴールデンウィークに入り、やっと 初夏らしい陽射しに出会えた。 一般の人と反対に、週末仕事が入っているため、私は 週の出だしが遅くなりがちだ。 ブログも、うっかりしていると週半ばまで手つかずと...
日本語空間5月1日2 分良い文章にはリズムがある良い文章にはリズムがある。 論文に、美文調は求められていないが、読みやすい 文章、読んでもらうための文章となれば、リズムを まったく無視することはできない。 論文の添削をしていると、文章表現のこまやかな部分 にまで意識を欠かさない外国人学習者の方に出会い、...
日本語空間4月26日2 分関心を突き詰める―「何」を「どう」書いたらいいのかの質問に答えて―論文を書こうとしている学習者の方にカウンセリングを おこなっていると、そもそも「何」を、「どう」書いて いいかわからない、という意見を聞きます。 そこで、踏み出すためのアプローチとして、堅苦しく 考えすぎず、元々の「関心」を生かすというのも一手です。...
日本語空間4月24日2 分専門性と教養教養は、単体で役に立つものではないが、それがあるか ないかで、「知」の質も変わってくる。 少し前に、フリーマン・ダイソンの著書について書いた。 1923年、イギリス南部で、弁護士の母と音楽家の父の間に 生まれたダイソンは物理学者で、朝永振一郎、ジュリアン・...
日本語空間4月20日2 分推敲また推敲審査の存在する論文は無論のこと、依頼されて書く「寄稿」も、 その扱いに恥じないよう、いったん書き上げたのち、推敲を 納得がいくまで繰り返す。 推敲を経ない論文を、論文とは呼べない。 たとえ大家であっても…否、大家であるほどに、抜かりなく 推敲をおこなうだろう。...
日本語空間4月17日2 分「ガラスの天井」を突き破るには昨晩、授業をおこなっていて、すでに1年以上学んでいる 学習者の方(社会人)の会話が、確実に上達したのを感じた。 たとえば「悩ましい」などという語彙が、自然に口に上る ようになっている。 私が、常日頃いうところの「こなれた日本語」に近づいた ことが非常に喜ばしい。...
日本語空間4月12日2 分書きことば的に話す週末から、気温が一気に上がり、夏日との報道もあった。 今日も、最高気温は26度。 事務所の猫は、元気よく跳ね回っている。 私自身は、まだ原稿が仕上がっていないため、春の到来を 満喫する余裕はないが、エアコンを使わなくていいのは、 快適だと感じる。...
日本語空間4月5日2 分書くことに向き合う現在行っている授業のなかでは、書くことに対する 苦手意識を軽減するため、まずは短文を書いて もらっている。 それまでに長い文章、論理的な文章を書いた経験が なければ、いきなり論述をおこなうことは不可能 に近いからである。 だが、短い文であっても、続けて書いていくうち...
日本語空間3月19日1 分ブレインストーミングをおこなう理由日本の大学院に進学したいが、何から手をつけていいか わからない、という外国人の方は多いと思われます。 便宜的な問題もありますが、あえて逆算し、最も重要な点 を挙げれば、それは研究にあたり、自分自身のテーマを 持っているかということになります。...
日本語空間3月17日2 分漢語は文章の要(かなめ)昨日の授業で、学習者の方に書いてもらった文章を見て、 直接、問題点を指摘していくなかで、漢語の“ズレ”が 気になった。 JLPTのN1には合格しており、会話は流暢だが、より きちんとしたことば遣いを身につけたいと、日本語の ネイティブレベルを目指している方である。...
日本語空間3月5日3 分境界に立って先日、ブログで取り上げた社会人の方(日本の大学院に 合格したばかり)の最終的な目標は、「日本での起業」だ という。 昨夏からサポートをおこない、昨秋、晴れて大学院生と なった方の夢も、「日本で起業し、ゆくゆくはそれを 母国にも展開すること」だった。...
日本語空間3月2日2 分サクラサク3月1日は、昨年末から大学院入試対策をおこなってきた 社会人の方の合格発表の日でした。 結果を、今か今かと待ちわびていましたが、夕方にメール が入り、めでたく「合格」の知らせが!! 一足早く、桜の花が咲いたようです。 大学、大学院の入試対策は、各人の専攻や試験形式、どれ...
日本語空間2月22日2 分雄弁に語る私は、自身が研究する時代を、近代に定めている。 近代は、大きな戦争をはさんでいるとはいえ、 現代と地続きになっており、古過ぎず、新し過ぎないと いった意味でも、考察をおこないやすい。 この時代、知識人と呼ばれたひとが書いた文章を読むと、...
日本語空間2月6日2 分白いタブレットー自由な「知」のよろこびー一般的に、大学までの学びを「勉強」と称するのに対し、 大学院以上では、それを「研究」と称します。 比較をすると、後者の難易度に目が行きがちですが、 それ以上の特権(!)に、知の「自由度」が挙げられます。 とりわけ、研究という営みにおいて、文系、理系どの...
日本語空間2月2日2 分少数精鋭(しょうすうせいえい)引き続き、コロナ禍により留学生が入国すらできない状態のなか、 「日本語空間」も、学習者の数は多くないものの、皆さん、着実 に目標へと向かい進歩を続けているので、私自身、気持ちを引き 締め常に体制を整えている。 塾や予備校と異なる点は、単に合格を目指すのでなく、その先に...
日本語空間1月29日2 分ストーリーで見せる(魅せる)事務所からの帰り道、駅までは、いくつかの道を経由する ことができるので、その日の気分で選んだりするのだが、 今日、偶然通りかかった商店街でおかしなことがあった。 居酒屋の店先に座っていた客が、ふくろうを手に乗せて おり、それがじっとしたまま動かないので、人形みたい...
日本語空間1月23日2 分ホモ・ファーベル(ものをつくる人)図書館でのセレンディピティ的出会い! 自分自身の専門でなく、学習者用の参考文献を探していて、 良書にたどり着くことがある。 経営学専攻の方の研究テーマを練る過程で、目当ての本を借りた 後、貸し出し冊数に余裕があったため、ふと手に取ったのが...
日本語空間1月22日2 分ストイックな一面ニューノーマルの生活が全般的に営まれ続けるなか、 大学院の入試形態にも、影響が出てきているようだ。 最近では、国立のようなレベルが高い大学院でも、 筆記試験に変え、口述試験で合否を判断するところが、 少なくなく見受けられる。 口頭で対するからといって、難易度が著しく下がった...