日本語空間2 日前2 分人と「被(かぶ)らない」ということ人間の行動様式は、人間という種ならではの性質に基づく と言えるが、それ自体、仮のノルム(規範)であり、絶対 不変のものではない。 極言すれば「移ろう」ものなのであるから、その意味では、 型にとらわれすぎるべきではないだろう。...
日本語空間3月8日2 分書くことの効用外国語を学習する際、目的によりどのレベルをめざすか という違いはあっても、書きことばと話しことばでは、 後者の方が身構えずに入っていけるだろう。 ただカジュアルな会話表現だけなら、動画を見て音声を 聞き、シャドーイングをおこなう等により、自分でも ある程度はマスターできる。...
日本語空間3月2日2 分坂道の途中でコロナ(covid-19)は、基本的に災禍以外の何もの でもないと思われているが、それがもたらした 「恩恵」もあるのではないか、と、発生直後から 3年余りを経た現在、感じられることがある。 そのひとつは、多くの人が首肯しうるだろう 以前の生活の見直しだ。...
日本語空間2月26日2 分教養としての語学日が落ちてから街を歩いていると、花びらのような ものが、マスクの中に舞い込んだ。 桜にしては早いと思って、暗闇に目をこらせば、 わずかに雪が降っている。 肩に落ちても、すぐに消えてしまうほどのあえかさで。 晩になり、都会の雪は降り積もることなく止んでしまった。...
日本語空間2月24日1 分デジャヴ散歩をしていて、小道などに古びた椅子が二つ 置いてあるのを、時々見かける。 日本だけでなく、カメラを片手に出かけた外国 でも、そのような光景に出会った。 誰かが腰をかけ憩うようすも、心なごむもの だが、椅子だけがぽつんとあるだけの佇まい に、より惹かれている自分がいる。...
日本語空間2月11日1 分国外から、国内から昨日は、久しぶりに雨が降り、大気や大地 を潤してくれた。 散歩で近くを通りかかる外国人墓地の枯れ かけた芭蕉も、息を吹き返しているだろうか と想像する。 午後3時、汽笛の音が聞こえてきた。 港は少し離れているにもかかわらず、雨の日 は大気が湿っているため、汽笛の音がいつも...
日本語空間2月5日2 分繊細さ仕事に集中して、ケアが不足していた せいか、猫が風邪にかかってしまった。 ここ何日間か寒い日が続いたが、自分から クッションに入り、少し離れたところから じっとこちらを見ていたのを、罪悪感に 駆られながら思い出す。 昨日、とうとう目から涙をあふれさせ、...
日本語空間1月29日1 分春の気配「冬来たりなば春遠からじ」のことば通り、冬で あっても、周囲をよく見ると春の気配は、そこここに うかがえる。 昨年末には、桜が蕾(つぼみ)をつけているのを 見かけたし、芳香が漂っているので元を探すと 水仙の花が群生しているのに出くわしたりする。...
日本語空間2022年12月11日1 分ノンバーバルコミュニケーションコロナ発生後、対面での仕事がほぼなくなり、 事務所にいる時間が増えたことがきっかけで、 ちょうど事務所の裏庭で生まれた猫とよく 顔を合わすようになったのが、2年半前。 母猫がどこかへ消えてしまい、毎日えさを もらいにきていた猫が、帰りたがらなくなった...
日本語空間2022年11月6日2 分思い込みから脱却する今日も、授業前の時間に、近くの公園で猫と 散歩を楽しみました。 犬のように、地面を歩かせるわけではないの ですが、元々野良猫だったので、家の中に 閉じ込めっぱなしなのはかわいそうだと思い、 少しでも自然に触れさせようとしています。 池の前のベンチで休んでいると、老婦人から...
日本語空間2022年8月28日2 分抽象的思考がコアとなる日本語で書かれているにもかかわらず、簡単に読み進められない 文章や本がある。 それらは大抵、抽象度の高い内容だ。 現実に、目は紙面を追っているのに、気づくと内容が頭に入って きていない。 恥を忍んで告白すれば、そのような際、自分はよほどレベルが低い...
日本語空間2022年8月25日1 分あたらしさは常態に先々週から先週にかけて、学習者のうち 2人がコロナに感染した。 だが、2人とも、完全に治りきらないうち に、いつも通り授業を受けるというので 少々驚かされた。 無理をしない方がよいのでは、と伝えた のだが、結局、休みたくないという意思を 尊重することにした。...
日本語空間2022年8月14日2 分逆境における多幸感風立ちぬ、いざ生きめやも――! (訳)「風が立ち起こった。さあ、私たちは生きねばならない」。 ポール・ヴァレリーの詩『海辺の墓地』から、印象的なフレーズを 引用した小説『風立ちぬ』(1936-38)の著者・堀辰雄(ほりたつお)...
日本語空間2022年7月31日2 分あらゆる可能性に賭けるコロナ感染者が、過去最大となる中、体調不良を訴えて いた事務所のスタッフが、コロナの検査で陽性となった。 もしや私も、と心配していたが、不幸中の幸いというか、 一応感染からは免れた。 ニューノーマルが、かなり浸透してきているとはいえ、...
日本語空間2022年7月14日2 分エンパシーの重み今日は、夕方から夜にかけ授業が続き、終わったのが 午後10時40分。 外国人学習者の方たちから、今回の元首相襲撃事件に ついて、あれこれ質問を受けたので、自分なりに思う ところを述べた。 先日のブログでは、「テロル」という表現をもちいたが、...
日本語空間2022年6月29日2 分小回りの利く自由梅雨にもかかわらず、今年はやけに雨が少ないと 思っていたら、史上例を見ないほど梅雨明けが 早いらしい。 気温も連日、軽く30度を超え、6月というより 8月のようだ。 じめじめした天気に悩まされないのはよいが、 季節ごとの「らしさ」が、薄れていくようでも ある。...
日本語空間2022年6月26日2 分「ハッシュタグ型」人間先日から、6月とは思えない異常な暑さで、気温は 一気に35度まで上がった。 午前中から、遊んでくれとまとわりつく事務所の猫も、 ここ数日は寝てばかりいる。 とはいえ、猫のルーツは、アフリカなどの暑い地域で あるため、気絶したように熟睡しているところへ、...
日本語空間2022年6月23日2 分逆境を越えていく街を歩いていて、ふと空を見上げるとツバメ が飛び交う、そんな季節になりました。 初夏に飛来したツバメは、巣をつくり、 卵を生んでそこから孵ったヒナを育てます。 じっくり観察したわけではありませんが、 その時期にもズレがあり、早い時期に訪れる...
日本語空間2022年6月5日1 分「自由」になるため学ぶなぜ学ぶのか? と問われれば、やはり「自由」になる ためと答えるだろう。 森羅万象(しんらばんしょう)を、理解するのは叶わず とも、知らなくてよいことが存在するとは思えない。 むしろより多くを見知り、学ぶ姿勢が、自分自身を解放 していくのだ。...
日本語空間2022年5月31日3 分猫から人へ事務所に迎えた保護猫に出会ったのは、今から ちょうど2年前の5月。 旧事務所の敷地内で、生まれたての子猫たちが、 よちよち歩き回っていた。 3月の終わりごろ、建物の裏手にある草原で、 1匹の猫がよく日向ぼっこしているのを見かけた が、後になり、それが母猫だったと判明した。...