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「新規性」―論文の価値そのもの―

学術論文の価値として、“核”たるものは、ズバリ新規性です。

すなわち、それ以前に、他の人間が取り上げなかった事象を扱い、

論じることは、第一に踏まえねばならない点なのです。

換言すれば、新規性のない論文は、学術論文とは認められない!

そもそも、研究に就く者は、なぜ、数ある専攻の中でその分野を

選び、無数に設定しうるテーマの中から、それを選んだのか? 「何となく」ということは、まず考えられませんね。

はっきり自分自身に意識されていなくとも、そこに至ったからに

は、何かしらの動機があるはずなのです。

にもかかわらず、「何を書いていいかわからない」という質問を

よく受けます。

それを聞き、「どうして漠然とそんなことをいうのか?」

とあきれる気持ちにはなりません。

私自身、修士課程入学時に、大きいテーマは決まっていましたが、

その絞り込みに時間がかかりました。

この場合、テーマというより、モチーフという方が適切かもしれ

ません。

私は、このモチーフに大変関心があるが、他人がすでに手をつけて

いることの後を追うなら、研究行為自体の意味がない。

それでは、同じモチーフを扱いつつも、他人が、到底考え得ない

視点からのアプローチを行おう! 

そう決めてからは、とにかく多読をして、先行研究を押さえるのは

無論、近接している他分野や、一見異なりながらつながりがありそうな

諸分野の情報も、頭に入れながらイメージを膨らませていきました。

ポイントは、最初から読書の幅をせばめないこと!


労力はかかっても、結局この方法が、己にはいちばん合っていたよう

で、結果として、学位論文だけでなく、海外に投稿した論文も、

すべて結果を出してきました。


特に、海外の学術誌の査読における基準として「独創性があること」

は、最重視されます。


しかし、論述の経験がない身に、「独創性」とは、ハードルが高く

感じられるのではないでしょうか。


そこで、新規性という語に置き換えれば、まずは、小さい点でも、

他人が手をつけていないところをきっちり論じ切れば、「新規性が

ある」と認められることになります。


研究を始めたばかりの身では、一人でオリジナルのテーマを設定する

ことが難しい。

にもかかわらず、その部分から、徹底的につきあってくれる先生は

ほとんどいないでしょう。


それゆえ、「日本語空間」では、ブレインストーミングをおこない、

確かに眠っているはずの気づきを、呼び覚ましていくサポートを

しています。









マウリッツ・エッシャー「昼と夜」(1938)

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