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『モビリティーズ』

2年ほど前、「アドレスホッパー」と称される
非定住型の生活が、一部で話題になりました。
私自身、どこかで共感できる部分があった
ため、興味深く情報を追っていたのを覚えて
います。
当時は、コロナのことなど想定外だったので、
理想的ではあるけれど、どこで踏み出すのか
というためらいもあり…
しかし、現実は何が起こるかわからないもの。
ウィズコロナからポストコロナといわれる
時期を経て、リモートワークやワーケーション
という発想が、現実化してきました。
現在は、私も、仕事はほぼ在宅となっており、
授業自体すべてオンラインなので、静かな
個室が確保できれば、場所にはこだわらなく
なっています。
→とはいえ事務所以外では未だ行っていませんが…
院生時代に、ジョン・アーリの『モビリティーズ』
を読みました。
目から鱗(うろこ)が落ちるというよりは、現在
進行中の「移動」の可能性、不可能性を再確認
させるような内容で、参考文献の膨大な量が印象的
でした。
貧乏学生は、一々書籍を購入することができず、
その本も図書館で借りたものだったので、現在
手もとにはありませんが。
アーリが、著書の最後に、このモビリティーズの
未来を悲観的な予測で締めくくっていたのを記憶
しています。
アーリ自身は、4年前に亡くなっているため、
コロナ禍を経験しなかったわけですが、現在の状況
をみたら何というのか。
もしかしたら、彼は、かえって虚構の現実を乗り
超える術を、「移動」をキーワードに再考してみせた
かもしれないなどと、考える今日この頃です。
🌠ジョン・アーリ『社会を超える社会学』は、
より読み応えがありました。

秋、渡り鳥は南へ向かう。