- 日本語空間
ひたむきに…!
いろいろな意味で、この先、記憶に残るだろうオリンピック
が、ついにスタートしました。
本来であれば、人々の気分も盛り上がり、諸事に前向きに
なれたはずなのに、むしろそちらが最優先され、社会活動の
停滞は改善されていない現実…
このような状況で、今週、続けて二人の方からの問い合わせ
が入りました。
昨晩、カウンセリングをおこなった方は、今春、日本の大学院
に入学しましたが、来日できないまま、国で、オンライン授業
を受けています。
大学院の授業では、一人だけ外国から参加しているため、ノイズ
が多く、まともに話もできないと聞き、私自身が、申し訳ない
気持ちになりました。
→コロナ発生からだいぶ経つのに、ホント何とかならないもの
でしょうか??
秋の発表までに、先行研究をすべて洗い出すよう、主査の先生
からいわれたものの、国にいる状態では、日本国内の資料に目を
通すことに限界があり、頼る人もないまま悩んでいたそうです。
私は、修士課程の大学院生のカウンセリングをおこなうとき、
最初に、博士課程に進むかどうかを聞きます。
それは、研究に関わる基本的なポイントだからです。
この方は、博士号を取得した後、国に帰り、研究機関に勤務したい
との意思を語ってくれました。
であるからこそ、修士論文は、次につなげる重要な論文となるので、
最長3年かけても、良いものを仕上げたいと意欲を見せています。
たとえば、経済や経営等の「実学」分野は、就職に際して、応用が
効きやすい。
しかし、この方の専攻は、非実学なので、選択肢は狭まることを
承知の上、日本で進学することを決めたわけです。
さらに話を聞いたところ、自国で修士課程までを修了しており、
その後、日本の大学院で、研究生として2年を過ごし、今春、
2度目となる修士課程に進んだことがわかりました。
→1回目の修士論文には、自身で納得できなかったそう。
ここまでなると、パンデミックが立ちはだかろうが、何が妨害して
こようが、学びの意志は翻りません!
もともと、この方からの問い合わせは、修士論文のテーマを設定する
相談もできますか? というものでした。
全然テーマが決まっていないのでなく、絞れていないだけだと理解
できたので、そのサポートと、資料を探すためのアドバイス、
文章表現の精度を上げる指導等を含め、「日本語空間」で、8月から
集中授業を受けることになりました。
社会が不安定で、世界の転変するスピードが速い昨今にあり、多く
の人間が、右往左往しています。
それと対照的に、この方の醸し出す空気感は、穏やかながら、透徹
した「ひたむきさ」で、心を打たれました。
よし! 大学院の先生が、驚くような論文を提出してみせましょう‼

2020.7.13
少し前に、子燕が、飛ぶ練習をしているのを
見かけました。
巣立ちの季節が訪れ、夏も深まっていきます。