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アニミズム的心性
先日、関東でも梅雨入り宣言が出されました。
早く明けてほしいと願う一方で、梅雨が明けたら一気に夏に
なるな、マスクがつらそうだな…と、身構えたりします。
先日、夜の商店街を歩いていて、てるてる坊主を見つけました。
良い天気を願い吊るすものですが、存在は知っていても、
見かける機会は稀(まれ)なので、新鮮でした。
素朴ながら味わい深いものがあります。
しかし、現代の子どもが、実際に作ったりするのか?
作成者が気になりますね。
キリスト教系の高校に通っていたとき、「宗教」の時間で、
「ビルの屋上に、“お稲荷(いなり)さん”が祀(まつ)られて
いるのは、おかしくないですか?」
というのが、最初の導入だったと記憶しています。
→「ご利益(りやく)宗教」ってどうでしょう? という…
批判精神に乏しいこどもだったせいか、問いかけなのに、
おかしいことなんだ! と思い込んでしまいました。
それ以降は、神社に足を踏み入れることはあっても、賽銭を
入れ、鈴を鳴らし、願をかけることはしなくなりました。
日本人のアニミズム的心性は、外部から指摘されるものですが、
文化の内側にいると、分析よりは、感得をするものなのでしょう。
事務所がある港町には、海の方を臨み、大きな神社が建って
います。
坂の下から上まで続く長い階段の上にそびえたつ姿は、豊かな
緑に包まれ、威容(いよう)という形容がふさわしいです。
宗教的行為をおこなわずとも、そこで感じ取られる霊気の
ようなものは、アニミズム的心性に根差しているのかもしれません。
