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イケイケドンドン?

物事には長短があり、良い面をばかり享受するわけには

いかないが、大きな潮流に批判意識ゼロで乗っかるのも

考えものだ。


デジタルなしに生活をすることは、すでに考えられない

というものの、だいぶ前から弊害が目立つ。

それに対し、すぐに行動を起こすのでなくとも、問題

意識があるかないかでは雲泥の差があるといえるだろう。


先日の授業中、学習者からドーパミンをデトックスする

方法があると聞いた。

その人自身、スマホ中毒を意識しており、特にショート

動画にはまっているという。

本や新聞などで、ほしい情報を得るためには時間と集中力

が必要だが、ショート動画は数十秒で結果にたどり着ける

ため、ドーパミンがたくさん分泌されるという。


今年に入り、一層存在感を増したChatGPTも似たような

もので、すぐに答えを得られるのであれば、人間は思考

することをしなくなっていくのではないか。


大学院で学んだことで身についたのは、対象との距離を

測りながら思考する習慣だ。

近づきすぎると全体像が見えなくなる。

近寄って細部を凝視することも大切だが、自分の方が

身を引き、全体を見渡すことなしに、判断をくだすこと

はできない。


「イケイケドンドン(行け行けどんどん)」ということば

がある。

初めて聞いた時、何か耳慣れない感じで、同時に古風にも

響いた。


つまり、このフレーズを単独に使えば、ひるまず前進せよ

という意味になるが、コンテクストによっては「蛮勇」と

いうようなニュアンスにもなる。


調べてみると、実はこのフレーズは戦前に生まれており

「富国強兵」の風潮を示していたらしい。

それが戦後のバブル期に再流行し、今でも、ビジネスシーン

では積極的に「勝負に出る」というような意味で、時折り

使われるようだ。


大きな流れに、人間は意識的に乗るよりは、いつしか乗って

しまっている。

皆で同じ行動をすれば怖くない、それが最先端だと言わん

ばかりに。


しかしデジタル化の現象一つとっても、功罪は相半ばする

もので、便利と思いながら、システムの奴隷になっている

こともままあるだろう。


イケイケドンドン?

否、むしろ立ち止まる余裕こそが、今こそ求められている

に相違ない。



   

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