- 日本語空間
コンテクストの中で考える
ゴールデンウィークも明日で終わる。
新年度は4月からだが、実際、どこでも本格的に学業や
仕事が開始されるのは、連休明けからだろう。
緊張と期待の入り混じるシーズンでもある。
昨晩も、課題にしてあった短い論述を、授業の中で添削
しながら解説をおこなった。
ゆくゆくは、長い論述ができるようになることが目標だが、
気負い過ぎて書けなくならないよう、まずは短い文章から
始めるのが良いと確信している。
学習者自身が書いた文章なので、本人にとってリアルだし、
文脈の中で語の使い方を学ぶことにより、定着が確実となる。
ことばは、(名詞などを除いては)1:1対応で完全に
説明することなどできない。
いうまでもなく、同じことばでも、文脈により使われ方が
異なってくるからだ。
それを意識することは基本的に重要で、続けてリファレンス
を増やしていくことが求められる。
最後に、逆質問というか、書かれた文章について、こちら
から尋ねることなどもする。
こうして、柔軟にカスタマイズされたその人だけのための
授業ができあがる
さて、ゴールデンウィークにはほとんど関係がない私は、
かえって雑事に追われ、ここ数日身動きが取れなかった。
ブログを書かなければ、本を読まなければ、と焦っていたが、
今日になり少し余裕ができた。
午前中は、以前に斜め読みしたアンソニー・グラフトンの
著書を再読。
自分自身の専攻とは異なるが、やはり示唆に富む一冊と
感じさせられる。
久しぶりで、ゆっくり活字に触れ、滞っていた「気」が、
再び循環しはじめたようだ。
しばらくの間、あまりかまってもらえず機嫌を損ねていた猫は、 今、膝の上で勝手に寝ている。 午後3時ちょうど、港町の事務所に、船の汽笛が響いてきた。
