昨日に続き、あえて気兼ねせずに、思ったことを書きます。
以前にくらべれば、日本の大学や大学院において、留学生へのケアや
サポートは充実してきたといえます。
しかし、外国の大学の国際性に鑑(かんが)みれば、まだまだですね。
日本人学生、外国人学生に関係なく、ゼミの先生は、親切であるのに
越したことはありません。
しかし、留学生だからこそ、ゼミ選びにおいて特に大切なのは、担当
教員の「人間性」だと考えられます。
いくら卓越した研究能力を持っていても、指導そのものが的確でも、
最終的に頼れるのは、誠実な先生です。
相性というのもありますが、ニュートラルな見地から、その先生自身
の人間性がもっと重要です。
以前に、学位論文のサポートをした留学生から直接聞いた話で、残念
だったのは、ゼミの担当教員による論文の指導放棄でした。
文字に表すと衝撃的ですが…
レポートと異なり、最低でも2万の文字数からなる論文を、それなり
の質をもって完成させるのは、日本人でもラクではないのに。
大学3年以上、さらに大学院生ともなれば、留学生であっても、勉学上
の一定の自律が暗黙の裡(うち)にもとめられてはいます。
しかし、それが建前であっても、外国人学生を日本人学生とまったく
同様に扱うのは、不人情だといわねばなりません。
それとは対照的に、やはり留学生から聞いた心温まる話は、ゼミの担当
教員が、卒業間近の余裕がない時期に、寛容な態度で接してくれたと
いうものです。
→断言はできませんが、事務的な一応の取り決めも、場合によっては
教授の一言で融通(ゆうずう)してもらえることがあります。
いずれにしても、日本で留学生活を送る皆さんにとって、将来の就職や
進路にかかわるゼミが、意義あるものになることを心から願ってやみません。
安藤忠雄 設計『光の教会』
安藤氏は、高校時代にボクサーとして
デビュー。建築は独学でまなぶという
異色の経歴の持ち主で、東京大学の
教授も務めました。
Comments