冬というよりは、秋の延長のように穏やかな日曜日。
つい屋外に出たくなりながらも、事務所で粛々とタスク
をこなしています。
さて、先日、ブログに書いた流行語大賞の候補で、
入賞を逃がしたことばに「ニューノーマル」があります。
流行語というくらいですから、俗語的な語、ほどなく死語
となってしまいそうな語が多い中、これはアカデミック
ジャパニーズのレベルである時事用語といえるでしょう。
ニューノーマルは、実際には2000年代の後半に、ビジネス
用語として使われ始めたもので、日本でも一部の経済関係者
が自著のタイトルなどに冠していました。
今年、未曽有(みぞう)の世界的なパンデミックの災禍に
あり、いわば引っ張り出されてきたかたちで、以前よりも
広範な文脈で使われることになったわけです。
「あらたな常態」、「新常態」、「あたらしい正常」と
言い換えられることもありますが、やはりニュアンスが異なり
ますよね。
つまり、上記の三つの表現だと、カバーされる範囲がより
広くなり、意味がぼやけそうです。
そこで「ニューノーマル」の方が、やはりしっくりくる感じ。
一見ライトなカタカナ語が、かえって使い勝手がいいという。
曖昧なようでいて、現実は絶え間なく移り変わることを思い
出させてくれ、緊張感と軽やかさが同居しています。
多種多様で柔軟なありようを求める当世の空気には、似つか
わしいのではないでしょうか。
初めてアイン・ランドを読んだとき、
強烈に異文化を感じました。
アメリカ建国以来の歴史を反映させた
高踏的でない地に足のついた「知」。
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