• 日本語空間

ビジョンから始まる

事務所の猫は、大好きなえさを食べていても、時々体をピクッと

させ、ふいに窓の外に見入ることがあります。


しかし、視線の先を追うと、特別変わったものは、いっこうに

見当たりません。


一体何を見ているのか? 人間の視覚では捉えられないものが、

そこには存在するのか? あるいは、視覚以外の感覚で何かを感知

しているのか、その謎を知りたいと思わされます。


この猫は、以前に野良だったのを保護したのですが、その頃暮らして

いた場所に戻せば、過去の記憶は戻るでしょうか?


また、現在の時間は、漠然と把握しているのでしょうが、未来を、

人間のように「想像する」ことは、おそらくないと考えられます。


現代の科学において、動物の時間感覚については、未だ解明されて

いない部分が多いようです。

ただし、人間との相違において、確実に指摘されうるのは、人間に

おけるところの「言語」の有無でしょう。


さて、現在私は、大学の入学試験と就職試験のサポートをしています。


種類は異なれど、試験に際し、必ず準備せねばならないのが、志望の

動機や将来の計画です。


入試の出願では、「学習計画」や、「卒業後の計画」について書き、

就職の面接では、口頭で「5年後、何をしているか」、「10年後、

何をしているか」といった質問に答えねばなりません。


何度も書いたことですが、「試験」は、大学、大学院への出願、または

志望会社へのエントリーの時点から始まっています。


その志望理由や、計画書が「書けない」という人の中に、「ビジョン」

の欠落があります。


これまで、数多くの留学生、就活生を見てきましたが、競争率の高い

試験を突破しているのは、いずれもビジョンの明確な方です。


たとえ、日本語の運用がきわめて正確でも、ビジョンがないのは、試験

に際し、致命的です。

換言すれば、学校や会社が求める人材は、未来を思い描ける人材という

ことになります。


そのように、「前向き」かつ賢明であるなら、教員は教えたいと感じるし、

上司や同僚は、一緒に働きたいと考えるのが当然でしょう。


そうは言っても、どうしてもビジョンが思い浮かべられない場合、それ

が本当にないのではなく、気づかない場合もあるので、ビジョンを引き

出すのも、こちらの仕事です。


また、ビジョンと言っても、「本音」丸出しでは、具合の悪い場合もある ので、適切な表現を模索していくこととなります。


基本的に、大切なのは、「現在」に立ちながら、過去→現在→未来を貫く

視座なのです!


2021.8.26

17回の閲覧0件のコメント