いまだかつてない事態に、日本の社会でも少数派だった
リモートワークが試みられることとなりました。
個人的には、リーズナブルな形態だと考えています。
しかし、先日のニュースで、リモートワークを初めて導入
した会社の社員が「個人での作業がつらい」といっている
と知りました。
それが、物理的な不便さではなく、部屋で長時間、無言で
作業をしていると「さびしくて死にそう」だというもの。
そのような声を受けて、会社が、オンライン上にチャット
ルームを設けたところ、これが好評だそうです。
マーシャル・マクルーハンは、メディアを人間の肉体器官
の拡張と捉えました。
当時は新味のあった思想も、今では、現実のほうがずっと
先に進んでいます。
すなわち肉体と肉体を取りまくテクノロジーは、もはや
一体化しているといっても過言ではなく、それ以前の生活
を想像することが困難なほどです。
近い将来おとずれるであろうコロナ終息の後には、仕事の
形態も、総体的に変化すると予想されます。
そのときには、人と人の「距離」も、微妙に変化している
のでしょう。
私たちは、そうとはっきり意識しないまま、また、あたら
しい事態を受け入れていくのかもしれません。
小杉浩史「マガンの雁行」(宮城県にて)
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