top of page
  • 日本語空間

一雨ごとに

寒の戻りなのか、少し前は春そのもののような陽気だったのに、

ここのところ肌寒い日が続いている。

 

それでも猫に換毛期が来ているのは、確実に春が訪れている証

なのだろう。

 

人間は、目に見える事物に左右されやすいが、環境におのずと

反応する動物に教えられることは少なくない。

 

学習者の方が住むマンションのベランダに鳩が巣を作ったと

聞いたのは、1か月ほど前だった。

都会の鳩らしく、人慣れしていて、目が合ったらじっと見返して

きたそうだ。

 

おそらく親鳩は、場所の安全を吟味していたのだろう。

そうして、数ある中からその場所が選ばれたというわけだ。

つい先日、雛が孵った、感動したという写真入りの報告が届いた。

 

大学院で、長い間研究を続けていると、書きあぐねてスランプに

陥ったり、わけのわからない精神不安にさいなまれたりすることは

珍しくない。

 

才能があり、意気込みもつよいからこそ背負い込んでいた辛苦を、

自然の使者が救ったようだ。

人間を蘇生させるのは、人間とは限らない。

 

一雨ごとに春めいていく季節に、さまざまな思いが去来している。




閲覧数:41回0件のコメント

Comments


bottom of page