口頭試問のシーズンである。
数年前から、働く外国人の大学院進学が増えてきたが、
入試に際しては、筆記試験と面接、もしくは学習計画書
提出と面接のいずれかの形式で受験をおこなう。
筆記試験がないとラクそうだが、実際は、学習計画書
にとどまらず、研究をおこなえる能力があるかを口頭 でチェックされるので、入念な準備が必要だ。
そして、大学の卒論、大学院の修論、博論提出後に
おこなわれる口頭試問がある。
こちらは、口述の前に論文の内容で、審査をパスできる
かどうかは半分以上決まっているが、それでも不合格に
なることがないとはいえない。
コロナ発生以降、対面授業が減ったためか、口頭試問
対策の依頼が続いている。
大学院は専門性が高くなるので、各人の論文に沿って
試問がおこなわれるが、大学では本当に自分が書いた
のか、というチェックが基になっているようだ。
「コピー&ペーストはなぜ起こる?」の記事でも書いた
ように、ゼミによって指導教員の熱心さにはかなりの
差があり、親切で丁寧な指導を受けられればよいが、
その逆で、審査ばかり厳しいというのでは憂鬱だ。
さて、私自身は話すよりは書く方が得意で、発表より
論文の投稿を優先させてきた。
昨年は、口頭での発表に挑戦し、意外に緊張せず手応え
をおぼえたが、オンラインであったのが影響している
かもしれない。
大学では、卒論は提出のみで口頭試問はなく、大学院
では修士、博士課程とも口頭試問を経験した。
緊張はしたけれど、やはり論文執筆の方が、圧倒的に
労苦をともなうものではあったので、難なくパスする
ことができた。
『日本語空間』での口頭試問対策も、10人の学習者が
いたら10人とも対策が異なる。
すべてをケーススタディ的に捉え、後に続く外国人
学生の対策に反映し、成果を上げることを切に希望
している。
Comments