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外側から固める
論文を書くコツがつかめていない人に、アドバイスしたいのが、
文を書き出す前に、構成を入念におこなうことである。
総体的にアイディアが練られていないまま、締め切りを意識し、
とりあえず書き出しても迷走するばかり。
論旨が曖昧で、ブレた内容にならないためにも、構成は強固
であるべきだ。
書きなれていないと、ボトムアップ方式というか、内側から
文を積み上げていきがちだが、そうではなく逆の発想で、
外側から固めれば、文がゆるぎのないものになるはず。
今日の論文指導でも、核となる章のブレインストーミングを
2時間ほどおこない、構成を検討した。
後は、章、節、項といった骨組みをつくり、文を流し込んで
いく。
たとえていうならKJ法のイメージか。
やはり論文指導は、教える側も、得るものが大きい。
このような共同作業で、未完の建築物のような論文が、
ほどなく全容を現わし立ち起こってくるのを、待ち詫び
ながら不断の努力を続けている。
