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大学院考(1)

昨日、外国からの問い合わせがあり、スカイプでカウンセ

リングを行いました。


来年、日本での就職が決まっていて、働きながら大学院に

通いたいという希望です。

仕事に関連のある分野を学び、現場に役立てたいとのこと。


夜間の大学院はあるかと聞かれましたが、現在、昼間、夜間

という区分はあまりなく、社会人も通えるよう、大学院自体

が履修しやすい時間割を作っている状況です。


先日のNHKニュースで、大学院生の厳しい状況を再確認した

ばかりだったので、前向きなお話に、胸が熱くなりました。


あたかも自己責任だと言わんばかりに、志を持って大学院に

進んだ学生たちが、未来を描けないまま放置されています。

修士課程からは、非常勤で働くひともいますが、仕事をして

いたら論文が書けず、論文に集中したら生活ができないのが

リアル大学院生。

たとえ経済的に困難でも、希望があれば乗り超えることが

できるでしょうが、明るい話がさっぱり聞こえてきません。


しかし、ニュースで救いだったのは、自身も同様な経験をした

「若手官僚」たちが、状況を変えるべく現役の学生の声を聞く

グループを私的に立ち上げ、議論を始めたということです。


博士課程に在籍していたとき、学生同士で話していて、担当

教員は、ベテランの先生がいいか? 新任の先生がいいか?

という話題になりました。


ベテランの先生は、当然経験が豊富で、学会で役職を務めて

いたりするので、後ろ盾としては? 強力そうです(一筆

書いてもらうときにも…)。

しかし、比較的若手の先生は、近い過去に自分自身が大学院

生だったため、現役の学生の切実さが実感できます。


生々しい話になりますが、一昔前には、修士号を持っている

だけでも、大学にポストを得られる時代がありました。

現在では、もはや博士号を取得しても、相当な業績と運が

なければ、大学での就職は難しいです。

それゆえ、ずっと以前に、職を得た先生に、現在の困難さを

実感を伴い理解してもらうことは、無理な話かもしれません。


少し前から、いったん官僚になったものの、その世界に失望

し、辞職して、評論家や在野の研究者になった元若手官僚の

姿が見られるようになりました。


今日の大学院生を救うのも、昨日の若者である官僚有志と

知り、得心がいったのでした。



             ジョット「小鳥への説教」


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