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「自由」のありか

今週、東京国際映画祭が幕を閉じた。

毎年、注目をしてきたわけではないが、今年は1作を映画館

で鑑賞する機会を得、その後は動画でインタビューやワーク

ショップ等も見た。


印象的だったのは、コンペティション的な色合いより、

国際的な交流の側面が強く感じられたことだ。


そして、日本がアジアであることも影響しているのか、

欧米よりもアジアや中東からの出品が多く、ハリウッド

的な大作や知名度の高いスター然とした俳優や巨匠より、

個性的な若手俳優や若手監督の活躍が目立っていた。


国際的な交流と書いたが、そもそも「平和」が守られて

いなければ、このようなイベントがおこなわれることは

ありえない。


現在進行形で二つの大きな戦争が継続されている最中に

あり、最優秀女優賞と審査員特別賞を獲得した『タタミ』

は、イスラエルとイランという対立する二つの国が協同

で制作をおこなった奇跡的な作品だ。

作品中、畳の上で柔道の試合に臨む女性の柔道選手が

ヒジャブで髪を隠しながら格闘する姿には、多くの

観客が、さまざまな思いを巡らせていたであろう。


そして、受賞はしなかったものの、香港や台湾における

小品の輝きに着目をさせられた。

香港の作品は、社会問題を取り扱いながら、登場人物が

類型的でなく、真摯な作り手の思い入れが伝わってきた。

一方、台湾の作品は、個人と政治の関わり合いや、LGBTQ、

ジェンダーの問題を含む自由思想、人権を堂々と取り上げて

おり、直球でリベラルな勢いが感じられた。


わかりやすいエンターテインメントや「ウケ」を狙った下心

がない清々しさとでもいうのか、それは、戦争と未だに

力をふるう「大きな物語」に対し、声高でなくとも確実に

亀裂を入れる試みと言えよう。


グランプリには今春急逝したチベット出身ペマ・ツェテン監督の『雪豹』が選ばれた。

昨今、日本でも都市部に熊が出現し、問題になっているが、人間みずから生み出した

文明の負の側面が、自然との共生を阻ませる(犠牲となる野生動物たち...)ことに思い

を至らせられる。


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