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急がば回れ!
今日の正午、船の汽笛が3回響いた。
午後3時に、もう1回。
何か幸先(さいさき)がよいように感じ、猫を抱き上げ、
しばし窓外を眺めていた。
この1週間ほど、ずっと校正の仕事に追われ、日々を
過ごした。
締め切りを、みずから1日早く切っていたため、昨晩は
相当追い込まれており 、時計をにらみつつ、午後11時半
に何とか1回目の作業を終えた。
朝・昼ごはん抜きで、目覚ましにカフェイン摂取とばかり
コーヒーだけ飲んでいたので、日付が変わるころ晩御飯を
食べ、明け方眠りについたのだった。
事務所に来るのが遅れたせいで、猫は、大荒れだったが、
好きな“抱っこ”で、何とかなだめすかす。
「あー、青空が見えるね」などと、やさしく話しかけて。
師から校正を依頼された原稿は、話の中では、2万字
くらいと計算されたが、いくら直しても終わらない。
2万字と信じたので、すぐできますよと答えたのだが、
実際には9万字弱であることが後で判明した・・・!
2万字なら、大学の卒業論文や投稿論文の長さだが、
9万字では、修士論文でもやや長い方だ。
ちなみに、今回は共著である。
にわかに青ざめ、終日、文章の中を泳ぐようにして作業
に集中することとなった。
自身の次の論文も、準備中のため、まだ書き出しておらず、
添削以外で、推敲や校正といった最終確認の作業は久しぶり。
最初、PCの画面上で直してから、プリントアウトして確認
しようとしたが、やはり先にプリントアウトし、紙媒体の原稿
を直接目で確認しながら、どんどん朱を入れていき、最終的
に入力した方がよいと気づいた。
そう、画面上で直す方が、早く進められる印象があるが、
実際には、かえって膠着したり、見落としが出たりして遅れを
生じる。
推敲、校正の基本(いわゆる鉄板!)は、
1.必ずプリントアウトして目を通す。
2.翌日、または日を置いて再度内容を確認する。
(前には見つからなかったミスが必ず出てくる)
3.声に出して読む。
(誰かがいれば聞いてもらう)
学位論文のように一度きりの大切な論述の場合、不可になると、
次の提出は、1年後になる。
投稿論文も、日本の場合、チャンスは年に1回であることが
ほとんどなので、落ちたらまた来年まで待たねばならない。
それゆえ、面倒がらず、近道をしようとせず、きっちり向かい合い
完成度を上げる方が、確実な結果につながるのだと言い切れる。
そういえば、以前、修士論文をサポートした大学院生も、10万字程
の論文を、面倒がらず、こまごまとプリントアウトしてきていた。
まさに「急がば回れ」!
