- 日本語空間
想定外の質問に答える
先日、大学入試の面接練習で、以前に出さなかった質問を、
抜き打ちで、ある学習者の方にぶつけてみました。
Q:現在、コロナ禍により社会全体が機能不全に陥っています。
このような時、われわれはどのようにして過ごしたらいい
でしょうか?
A:はい。今は、その分時間があるので、忙しい時には考えら
れなかった将来のことについて、しっかり考え、 準備
するのがいいと思います。
私は感動しました。
自分自身の表現になっているし、内容そのものだけでなく、
最初「ちゃんと」と言いかけたのを、「あ」と気づき、
「しっかり考え」と直せたのが、非常に良かったです!
※「きちんと考え」は、✖ではないが、△くらい。
男性の学習者ですが、自分でも「人見知り」をする性格だと
いう物静かな方です。
面接自体初めてで、どう答えたらいいかわからないとのこと
だったので、模範解答を提示して、それをアレンジしながら
自分のことばに変えていっているところでした。
そのままでなく、少しくずしてもいいんですよ、と伝えたにも
かかわらず、くずし方自体わからず、ほぼ暗記したものを
発話するという繰り返しだったのですが。
この抜き打ちの質問に対する答えが、自信になったらしく、
ようやく笑顔が見えました。
あえて厳しく見れば、これでも最上の内容とは言えず、より
高度な答えをする留学生もいるでしょう。
しかし、面接でもっとも大切なのは、答えづらい質問が出さ
れても、黙ってしまわないことです。
→すぐ出てこなくても、「はい」と受け止めながら、脳内を
高速回転(!)させ…面接上級者になれば、このような時こそ
気づかれないよう笑顔を浮かべつつ…
模範解答的な答えを、「再生」するような感じで話したと
しても、準備の労力が買われ、評価は悪くないと推測され
ます。
就職試験とは異なり、面接官は大学の先生なので、若干
たどたどしさがあっても、ポジティブな内容の答えを学生
らしく爽やかに伝えれば、合格基準を満たすでしょう。
さあ、内面の自信と、外面の謙虚さで臨むのです!!

女子の場合、髪を束ねるのは良いですが、
色も「黒」の方が無難でしょう。