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映画『合葬(がっそう)』
少し前から気になっていた映画『合葬』(2015)を、
huluでみました。
→無料キャンペーン中だったので!
原作は、杉浦日向子(すぎうらひなこ)のコミック。
合葬は「合同の埋葬(まいそう)」の意味。
最近ブログで言及した近世から近代への劇的な時代
の転換期の物語です。
※以下、ネタバレを含むので注意してください。
親友でありながら、志(こころざし)を異(こと)
にする3人の士族の子弟(してい)が、同じ運命に
巻き込まれていきます。
「勝てば官軍、負ければ賊軍」ということばが、
実感されます…
主人公の極(きわむ)がいう「上様(うえさま)」
とは、天皇ではなく、最後の将軍・徳川慶喜
(とくがわよしのぶ)のこと。
映画のなかでは、青年たちの一途(いちず)さが、
上の立場の人間に利用される面が描かれています。
冷静に考えれば、歴史上めずらしくない事象であり
ながら、みていて無念さが湧きます。
毎年お花見でにぎわう上野の山を血で染めて、彼ら
は、生き急いだのでした。