教会の鐘の音(ね)と汽笛(きてき)が、シンクロ
するように響きわたりました。
時計をみると12時です。
さらに、それに呼応するかのように鶯(うぐいす)
も鳴いています。
「春告げ鳥(はるつげどり)」の異名(いみょう)
を持つ鶯は、早春には、どこかもどかしい感じで
「ケキョケキョ」と鳴きます。
春も深まり、最近は、完璧に「ホーホケキョ」と
鳴いてみせるようになりました。
部屋でひとりきりの時間を送っていると、外界の
パニックが、別世界のできごとのように錯覚され
ます。
しかし春のサウンドスケープは、のどかであり
ながら同時に、この世界が、人間だけを中心に
できあがっているのではないことを教えてくれる
のです。
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