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正確さ・明晰(めいせき)さ・美しさ
論述をするとき、何が重要かと問われれば、おおまかに言って「部分」
と「全体」の両方である、と答えます。
前者を、ひとつのセンテンス(一文)とするとき、そのなかで重要なの
は、文法や文字語彙の正確さ。
一方、後者を、前者の群からなる文章とするとき、そこにおいて、
「構成」が適切で、「論理性」に齟齬がないかは、きわめて重要。
すなわち、明晰であるかどうかということです。
そして、ふたつを併せ持つ文章には、端然とした美しさが備わって
くるのです。
しかし、論述は、長くなればなるほど、部分と全体の整合性の難易度
が上がる。
それは、当然のこと。
たとえば、EJUの記述問題は、出題傾向も定まっており、短いので、
難易度は低いですが、それでも「構成」は、点数に入ります。
これが、大学入学後のレポート、卒業論文(2~3万字)、修士論文
(4~6万字)、博士論文(6万字以上)と、字数が長くなっていく。
しかし、基本は同じ!
正確かつ明晰で、美しい論述に、高い評価が得られないはずが
ありません。
せっかく積み重ねてきた努力を、難易度の高い場においてこそ、
開花させたいものですね。
※学位論文の字数は、あくまでも目安です。
特に、博士論文は、字数の上限がないこともあります。

2021.5.23