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  • 日本語空間

漢語は文章の要(かなめ)

昨日の授業で、学習者の方に書いてもらった文章を見て、

直接、問題点を指摘していくなかで、漢語の“ズレ”が

気になった。


JLPTのN1には合格しており、会話は流暢だが、より

きちんとしたことば遣いを身につけたいと、日本語の

ネイティブレベルを目指している方である。


自然な日本語を使えるようになるには、何かが足りない

と自覚しており、その時点で、意識が高いといえよう。


指摘しうる点は、いくつかあるが、中でも気になるのが、

表現に“幅”があり曖昧なこと。

つまり、意味は何となく通じるのだが、具体的に何を

指しているのか、文意が明確でないことが多い。


そこに、しばしば関わってくるのが、漢語の適切な使い方だ。


たとえば、昨日は、「攻略」の語が不自然だったので、

文意を確認したところ、自国語の感覚で直訳していたこと

がわかった。


そこで、話し合いをしながら、名詞一語でなく、動詞の

「絞る」に置き換えた。


また、同様に、「議論」は「検討」に直した。


日本語学習歴が浅かったり、意識を高く持たなかったり

すると、自国語で発想し、そのまま直訳したような日本語

で述べてしまう。


前者の場合、まずはコミュニケーションのため、日本語を

話す必要があるというなら、直訳調もある程度は仕方ないかも

しれない。

だが、一定以上の学習を重ねたなら、ことばの適切な「使い分け」

に意識を持つことが、その人自身の日本語への評価に関わってくる

と断言できる。


Fan Ho 『Hong Kong Yesterday』

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