- 日本語空間
立ち上がることば

忙中閑あり(ぼうちゅうかんあり)
などと優雅に言ってみたいですが…
そうではなく、何とか時間を作り、どうしても
行きたかった展覧会の最終日に滑り込みました。
「人生100年時代」は、今日のキーワード。
しかし、平均寿命がそこまで長くなかった時代
に、亡くなる前日まで現場で指揮をし、まさに
天寿をまっとうしたのが、建築家の村野藤吾氏
(1891-1984)です。

無論、個人の能力も高かったのでしょうが、
2度の大戦を経て、戦後に才能を開花させたの
は、よほどタイミングに恵まれた例ですね。
代表作は、70歳を過ぎてから取り組んだという
のも驚きです。
身体だけでなく、頭脳が、現役で明晰さを保て
るなら、それ以上すばらしいことはない、と。
仕事の細部もさることながら、私は、村野氏の
残したことばに、静かに打たれました。
論文を書くとき、平面的でなく、いかに立体的に
書くかということに、心を砕きます。
その意味でも、異分野から謙虚に学びたい、と
希望しています。

「ハシバシ」は「端々」のこと。
カタカナ語が、現場っぽく臨場感
があります!