• 日本語空間

蝉時雨(せみしぐれ)

梅雨明けと同時に猛暑到来。

蝉の声が、今日も小止みなく聞こえていました。


「蝉時雨」とは、蝉の声が、時雨のように降り

かかるようすを表現したもの。


子どものころから聞きなれてきたものなので、

また変わらずに夏が巡ってきたなあ、という

感慨をおぼえます。


以前、日本に滞在していたスペイン人の友だち

が、夏に蝉の声がうるさくて眠れず、殺意を

おぼえるほどだ、と(冗談めかして)言って

いました。


ある文化圏に住まう人間にとっては、親しみ

をおぼえる音声が、異なる文化圏の人間には、

ノイズにしか聞こえないという例なのでしょう。


蝉の鳴き声にも、いくつかの種類があります。


特に耳に入ってくるのは、「ミーンミンミン」

というミンミン蝉の声。

お世辞にもきれいとはいえないけれど、暑さに

対抗するような力強さを感じさせます。


一方ミンミン蝉とは対照的に、しんとした昏

(くら)さを感じさせる鳴き声のヒグラシ(日暮)

という蝉がいます。

最近、事務所の近くでよく鳴いていて、鳴き声を

文字に変換するのはむずかしいですが、思わず耳

を澄ませてしまいます。


日本では、古来からヒグラシの鳴き声を、総じて

美しいものと捉えてきました。

あたかも散る桜花のごとく、その儚(はかな)さ

を愛(め)でる感性は、時代が変わってもふしぎ

と受け継がれているようです。

























 梅雨の終わりごろから、道端の草むらに

 蝉の抜け殻を見かけるようになりました。

 いずれにしてもひと月ほどの生の燃焼…

11回の閲覧