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軽やかに! —ユース・カルチャーの系譜―


左から、 開心那選手(12歳) 四十住さくら選手(19歳) スカイ・ブラウン選手(13歳) オリンピックの開催には、その決定が祝福されるより、 批判が内外から続き、少なくない日本人が、複雑な感情

を抱えたまま、競技自体は予定通り進行した。


私自身、何となく重い気持ちで、試合内容にあまり関心

を払っていなかった。


しかし、1日のニュースをチェックしていて、スケート

ボード・女子の結果には、軽い驚きをおぼえた。


金、銀メダルを日本人選手が獲得し、惜しくも4位に

終わったのも日本人選手だった。

銅メダルの選手は、イギリス代表だが、母親が日本人で、

日本に長く在住している。


それも、すべてが10代の快挙だ。


だが、そんなに若いのにすごい! というより、ここで、

youthと当該のスポーツは、文化的に結びついていると

いえよう。


スケートボードの発祥は、アメリカだが、日本でスケボー

をする若者に、アメリカ文化そのものへの憧れが、特別

つよいわけではない。


ジョセフ・ナイ『ソフト・パワー』(2004)が指摘するような、

アニメーションや漫画、その他の軽やかな「文化」が優勢で

ある日本において、スケートボードやサーフィンは、特に

身構えず、ファッションのように若年時から入っていける

世界であった(スポーツとも意識せずに)。


その第2世代くらいの親から生まれた子どもたちが、現在、

選手として育ってきていると推測される。


彼らは、往年のスポーツにおける濃密な師弟関係や、「根性」

とは、ほど遠く見える。

結果を出すことに執着しすぎず、競技を心から満喫しながら、

広い世界へと軽やかに羽ばたいていきそうだ。


今回、開催されたオリンピックの意義は、大会全体について

はともかく、このようなところに確実に存在するのだろう。


コロナ禍により、目に見える病人や死者とは別に、不可視の

それゆえに深刻な自殺者の増加には、子どもが多く含まれている。


このように閉塞した状況で、多感な思春期を送らねばならない

子どもたちにとって、彼女らの快挙は、生の肯定感を無言の

うちに感じ取らせたのではないか。


輝け、子どもたち!!

大技に挑みながら、転倒し涙をこぼしていた4位の岡本碧優選手(15歳)に、各国の選手が駆け寄り、抱え上げた。

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