- 日本語空間
よき春に
一昨日、事務所からの帰り道、季節外れの花火の音
が聞こえました。
ちょうど高台を歩いていたので、建物の間から、
音のする方向を眺めると、夜空を彩る光が目に入り…
後で調べたところ、近隣の小学校の卒業式のお祝い
だったとわかりました。
今春は、すべてではないものの、オンラインでない
従来の卒業式を復活させた学校が、多かったのですね。
花火の打ち上げは、ここに至るまで、よく耐えてきた
子どもたちへ、心づくしのセレモニーだったと思われます。
さて、昨年の11月に、事務所で子猫を保護してから、
早4か月が過ぎました。
前の事務所に、ある時姿を見せるようになり、骨が
透けるほど痩せているのを不憫に感じ、餌をやるよう
になったのがきっかけ。
台風の日も、大雨の日も、欠かさずにやってきて、
寒くなってきてからは、もう帰ろうとしなくなったの
を保護したものです。
果たしてそれが正しい選択か、葛藤もありましたが、
野良の子猫は、冬を越せずに死ぬことがあると知り、
また、何より捕獲され「殺処分」されることを恐れた
のが、いちばんの理由でした。
ペットを飼える物件は、限られているため、何とか
探して引っ越したものの、猫などを保護するのは
初めてであったため、どうすれば居心地よくして
あげられるか、四苦八苦していました。
最初は、夜になると、何とも寂しそうに「アオーン」
と鳴くので、元の環境に戻りたいのか? とうろたえ
たものです。
しかし、先日、ハーネスを着け、庭に出したら、
腰を抜かしてしまい、ブルブルふるえており、部屋に
入りたがるので、複雑な気持ちになりました。
私は、時々心のなかで問いかけます。
お前は本当に幸せ?--
この猫からは、それ以前には、気づかなかった大切な
ことを色々教えられました。
さかのぼって考えると、全面、オンライン授業に移行し、
事務所にいる時間が長くなったため、半径50mの世界と
縁が深まったことは大きい。
それゆえ、この小さな生命との出会いは、コロナ禍と
いう「災い」が運んできた「幸い」には相違ありません。