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  • 日本語空間

口頭試問

定期試験のシーズンとなり、現在、大学1年生のレポートを添削中

です。


リピーターの学習者ですが、一人では、頑張ってもA評価止まり

のため、日本での就職を意識し、その上の“‘S”を増やしたいとのこと。


オンライン授業を、半数以上選択したので、レポート形式の試験が

多く、今回は、10本のレポートを作成します。

ジェンダー、環境学、韓国近代史、フランス現代史など。


聞いただけで、書くのが楽しそう! と思ってしまいますが…

ご本人は、日本語での論述に慣れていないせいか、少々ぐったり

しています。

やはり会話の方が、読み書きより楽しい、と正直に話してくれました。


対照的に、私は、外国語を勉強するとき、会話以上に読み書きに

関心がいきます。

そういえば、英語の授業で、いちばん成績が良かったのは英作文

で(発音は手抜き気味…)、現在も、英語の参考文献を読むこと

自体は楽しく。


日本語であっても、書くことは苦にならないのに、口頭での発表は

億劫になりがちです。


そんな私にとって、大学院での最大の壁は、「口頭試問」でした。


口頭試問は、一般的な面接と異なり、専門に関し、踏み込んだ質問が

飛んできます。

あがり症の私は、本編の質疑応答より、「前説」が何より苦手でした。


そこでは、論文の概要や企図等を、みずから明確に示すこととなります。

水を打ったような沈黙に、無言の圧をおぼえ、動悸が…


修士課程の入学試験で提出した論文、修士論文、博士課程の入学試験で

提出した論文、博士論文の審査に際し、計4回の口頭試問に臨みました。


中でも厳しかったのは、やはり修士、博士それぞれの学位審査時に

おける口頭試問です。

特に、博士論文の口頭試問は、記憶がまだ新しいため、思い出すたび

今でも緊張がよみがえります。


そうであるからこそ、母国語でも容易ではない口頭試問を通過する

外国人学生には、敬意の念が深く。


口頭試問の場は、「公開」(怖)で、事前に誰がどのようなテーマで

試験に臨むか、日時もHPで発表されます。


同じ研究科で仲良くなった留学生がいましたが、留学生の口頭試問

の際には、同国人たちが応援に駆けつけるのを知っていたので、

彼女の試験時、私は、あえて遠慮をしました。


けれども、その後の報告で、試問終了時に感極まり「号泣した」と

聞き、こちらまでもらい泣きしそうになったものです。












   小林未醒「湧泉、採果」(1925)


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