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学歴+α
今日は、朝一番にうれしいニュースが入ってきました!
緊急事態宣言の解除を受けて、図書館が再開されるとのこと。
早速、読まねばならない本を、まとめて借りに行きます。
さて、昨日は、コロナ禍を経て、ひとびとの価値観も変わったのではないか?
というお話をしました。
そこで、今日は、あえて生(なま)な現実について、語ろうと思います。
学歴―それをまったく重要視しない国は、世界の中でも多くはないでしょう。
日本でも、無論、高学歴であることは、社会において一定の効力を有します。
思えば、私も、中学生になったころから、「偏差値(へんさち)」について、
周囲のおとなから、口うるさいほど理想のラインを示されてきました。
いわく、まず「70あれば一安心(ひとあんしん)」とか、「60以下は論外」とか。
こちらの身を案じて、忠告? してくれているのであっても、オブセッション
が募(つの)り、10代にして厭世観(えんせいかん)を抱いたものです…
端的に、学歴は、高いに越したことはありません。
たとえば、これから大学や大学院の受験を控えている留学生なら、時間を
有効に使い、高めに理想を設定するのが望ましいです。
しかし、時間の有限性も無視できないですね。
つまり、2年かけて第一志望の大学に入るのか、1年で第二志望の大学に入る
のか。
「学歴ロンダリング」※1)という、冷笑的で、意地の悪い俗語があります。
最終学歴を上げていくことを指しますが、個人的には、そんなのは「外野(がいや)
の野次(やじ)」くらいに受け止め、無視すればよい! と考えています。
具体的には、一度どこかに入学した後、編入で別な大学に入り直す※2)、
修士課程、博士課程で、さらに上の大学院をめざすということ。
それは、外に与える印象だけでなく、学びの環境のレベルを上げるという意味
でも、むしろ有意義ではありませんか!
とはいえ、社会に出る際、見落とせないのは、学歴「プラスアルファ」の部分
でしょう。
ここには、すべてを書ききれませんが、現実的には、履歴書に載せられる長所を
増やしていくのが、決定的に大切です。
わかりやすいケースを設定すれば、学歴が最上位であっても、アピールポイント
に乏(とぼ)しい者と、そこまでいかずとも良い大学を出て、アピールポイント
が多くある者とでは、ジャッジする側の人間は、どちらに好印象を抱くでしょうか?
さらに、そのとき効力を発するのが、自分自身の「見せ方」!
そう考えると、学歴は、無敵の護符(ごふ)にはなりません。
当然、それまで身に着けた日本語の「表現力」も、大きく関わってくるのです。
※1) 「マネーロンダリング」=資金洗浄(しきんせんじょう)に由来する。
※2) 最終学歴により、2年次入学、3年次入学が可能な大学がありますが、
すべての学部、学科で実施してはおらず、募集人員も「若干名」です。
受験を決めたら、過去問題を徹底的に分析して、準備万端で臨みましょう。

パウル・クレー『上昇』