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坂道の途中で

コロナ(covid-19)は、基本的に災禍以外の何もの

でもないと思われているが、それがもたらした

「恩恵」もあるのではないか、と、発生直後から

3年余りを経た現在、感じられることがある。


そのひとつは、多くの人が首肯しうるだろう

以前の生活の見直しだ。

世界規模での感染という打撃があったからこそ、

グローバルな加速主義が進行する中、立ち止まって

考える勇気を与えられたともいえる。


加速主義の反対にあるスローな暮らしの良さが、

実際に見直されてきたからこそ、たとえば大量生産

大量廃棄でないモノを大切にする習慣や、時を経た

事物への敬意が蘇ってきた。


ブログで、それを象徴するような古着の再(再々?)

流行に言及したことがあるが、おしゃれとSDGsが

同時に成り立つのは、すてきなことではないか。


Vogueがパリの街中でおこなっているファッション

スナップなどを見ると、古着と新品を組み合わせて

いない人を見つける方が難しいくらい、古い洋服が

大切にされている。


私自身、服の中で古着が占める比重は、4分の1ほど

だが、よく覗く店があって、そこで歴史の堆積を感じ

させるような服と音楽に囲まれていると、心楽しく、

1日中過ごせそうだと感じる。

いつもかかっているunknownな音楽の数々は、店長

が編集したものらしく、オールドスクール系の現代風

アレンジなどでなく、原曲感のあるさまざまジャンル

の音が渦巻いている。

事務所のあるここ港町は、東京(江戸)と異なり、 きっちりした都市計画によって開発されてきた場所 ではない。 文明の玄関とも称される海の方から、勢いが波及する ように、各々の地区が統一されないまま好き勝手に 生成してきた。


それゆえ、崖を切り開いた後にできた坂が随所にあり、

まるで「けもの道」のような小道をたどっていくと、

突然風景が開けたりする。


つまり、街が有機的なのだ。


通勤がなくなったおかげで、自由な時間が増え、

それにつれて目的のない散歩の時間も増えた。

そうして、見知っていると思い込んでいた街の新しい

顔に出会うよろこびは、何ものにも代えがたい。


循環と代謝を間断なく繰り返す街から鋭気を授かり、

気がつけば、次の論文を構想している。



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