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自己PR
これまで、就職や転職活動に際しての「自己PR」の書き方に
ついて、何度もアドバイスをおこなってきました。
実際に、就職活動全般に関するハウツー本は、たくさん出ていて、
各大学にも就職支援センターはあります。
しかし、主たる対象は、日本人学生なので、留学生は、やはり
外国人であることの「強み」を、スマートにアピールするのが
よいと思われます。
私は、最初、指導をおこなうまえに、いったん学習者にまかせ、
自己PRを書いてもらいます。
なれていないので、仕方ない部分もありますが、共通した特徴に、
1.無難(ぶなん)すぎる。
→どこかから取ってきたコピペのような印象。
2.書くまでもないこと、を書いている。
→字数を稼いでいるだけのようで、気持ちがこもっていない。
といった点があります。
つまり、完全に間違ったことをいっているわけではないし、あから
さまに不真面目でもないのに、自己PRの「PR」そのものが、脱落
しているのです。
そこで、何がよくないかを指摘した後で、「自己分析」に入ります。
私自身、「自己PR」のハウツー本に目を通したことはあります。
確かに参考にはなりますが、資格試験のように、一つの答えに対し、
ただ一つの答えがあるわけではないため、万能ではありません。
やはり、学習者の数だけ、自己PRはあるので、第三者のアドバイス
が不可欠と考えられます。
自己PRを、履歴書に書くものに限定せず、広義の意味で捉えるなら、
論述においても、同様なことがいえます。
どういうことかというと、ただ内容が正しければよいのでなく、むしろ
必須な「オリジナリティ」の部分が、自己PRに該当するでしょう。
実は、上述した二つの傾向は、長い文章、論述経験が少ないひとの
陥るマイナス点です。
→レポートなら、ぎりぎり「可」でパスするかもしれませんが、高い
レベルを求められる論述では、点数がつきません。
現実に、ライバルは大勢!
その中から、ジャッジする人間の「目に留まる」ような、生きたことば
が大切なのです。

ブロッケン現象
猪熊隆之 撮影