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「ハッシュタグ型」人間

先日から、6月とは思えない異常な暑さで、気温は

一気に35度まで上がった。


午前中から、遊んでくれとまとわりつく事務所の猫も、

ここ数日は寝てばかりいる。

とはいえ、猫のルーツは、アフリカなどの暑い地域で

あるため、気絶したように熟睡しているところへ、

冷風扇などをかけるとかえって嫌がったりする。

この気温調整がとてもむずかしい。


1年のうちで、学習者の依頼がいちばん多いのは6月だ。

4月に新年度が開始され、やや時間が過ぎてから勉強の

必要を覚えるせいだろうか?


昨日も、授業を希望する外国在住の方のカウンセリング

をおこなった。

すでに1年半以上授業を続けている学習者の方からの紹介

なのだが、話が弾んで、早速今週からのスタートという

ことに決まった。


この方は、親御さんのお仕事の関係で、長く外国で生活を

し、日本でも小学生の時期を過ごしたそうだ。

そのためなのだろう、発音が、日本人ネイティブに近い。

しかし、母国で住んだ年数は短いとのこと。

「国際的ですね」というと、

「そうですか? 今は皆、国際的じゃないですか」

などと、嫌みではない余裕の答えが返ってきた。


ピエール・ブルデューの著作に出てきた社会学用語「文化資本」

のことばが、頭をよぎる。

本人の努力も必要とはいえ、親の文化資本、経済資本の高低

が、子どもの将来を左右するというのは、一定程度、説得力

がある。


一昨日、NHKのニュースサイトに「最高齢のアプリ開発者」

といわれる若宮正子さん(87歳)の記事が出ていた。

「お年寄りにはデジタル機器が使いこなせない」という既成

概念を爽快に打ち破る若宮さんの人生は、何ともスケール

感があり、話すことばにも重みがある。


なかでも気になったのが、今までは「フォルダー型」人間

時代、これからは「ハッシュタグ型」人間の時代という

ことばだった。


帰属性があることで、人間は安心できるが、それは決して

盤石(ばんじゃく)ではない!

むしろ乱世(らんせ)を生き抜いていくのは、上手なこと、

興味のあることをたくさん持っている人間だという。

いわゆる「引き出しの多い人」のことだ。


私も、さまざまなタイプの学習者の方と接するなかで、

もっともっと自分自身の引き出しを増やしていこうと

あらためて願ったのだった。


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