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  • 日本語空間

それでも日々は続く

月曜日の晩、猫が、2度目になる家出(いえで)をした。

事務所のドアを開けた途端、隙間から外に飛び出してしまい、近くを

ウロウロしたのち、自分から戻ってきた。

1時間ほどのささやかな反抗?


その間、焦って何とかつかまえようと、ずっと後を追った。

だが、猫は、久しぶりに接する外の空気を満喫するかのように、建物

と壁の間で、空を見上げたり、草の匂いを嗅いだりして、知らん顔を

決め込んでいる。


最近、あまりかまってあげられなかったので、不満がたまっていた

のかもしれない。

部屋に入れてから、「ごめんね。帰ってきてくれてありがとう」と

語りかけた。

餌をあげ、いつもより念入りにブラッシングをしてあげると、喉を

鳴らしはじめたので、これも猫なりのアピールなのだろうと理解した。


以前、就職をサポートした学習者が、2度目の転職をしたいという

ことで、ふたたびサポートをおこなっている。

コロナ禍により、業界が打撃を受けたため、自宅待機が続き、その間

将来について考え直したという。


昨日は、履歴書の志望理由と自己PRの添削をおこなった。

1次試験が通れば、面接の猛練習をする予定。


不安定な状況が続いていても、やはり日本に残りたいという希望なので、

何としても試験を突破してほしい、とこちらも願う。


大学や大学院では、先週から今週にかけ、秋学期が始まっている。

また、入学式や修了式も、同じ時期に行われている。

夏の熱気が過ぎ、あらたな一歩と門出(かどで)が交差する季節。


どれだけ暗い時世にあっても、人間の営みは、一方向で果てるので

なく、こうして循環していく。


昨晩、久しぶりに、博士論文の審査で副査を担当していただいた先生

と電話をした。

最近は、研究関係で特に誰とも話さず、ひとりで学術論文を執筆している

と告げたところ、研究会で発表しませんか? と誘いを受けた。


2か月前に、抜き刷りをお送りした拙稿の内容を、オンラインの発表

形式で話してほしいとのこと。


せっかくのご厚意なのに、その場では気が進まず、丁重にお断りした。


一つには、私は、口頭での発表よりも、論文での発表のほうが得意で

あること。

もう一つは、その論文は、いったん完結し、現在では別な分野に関心が

移っていること。


しかし、今日になって、引き受けてもいいかという考えに変わってきた。


この機会に、好きなこと、やりたいことをやるのでなく、苦手なこと、

求められていることをおこなおうと決めた初心に戻ろうか、と。




















  「家出じゃないよ、散歩だよ」(怒)


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