原稿を書いている間は、エアコン温度の設定を通常より低く
しないと集中できないのだが、寒がりの猫が、それでも
そばにいようとして困っている。
猫のルーツは、アフリカにたどれるそうで、 毛で覆われて
いるにもかかわらず、どちらかというと暑さに強いのだ。
隣の部屋に移しても、戻ってきてしまい、くしゃみをする
始末で、攻防戦が続く・・・
暗いニュースが少なくない昨今なので、他愛のない話から
始めたが、今回の論文は、前回よりも手応えがあり、
それだけは、素直にうれしく思う。
論文を執筆していることは、学習者の方にも、伝えてある
が、励ましのメッセージを今回ももらい、一層発奮している。
さて、論文を書くときに、定めねばならないのが自分自身の
立ち位置だ。
これが揺らいでしまうと、論点がぶれたものになってしまう。
こと論文に限ったことではないが、物事は、角度を変えれば
まるで異なって見える。
それゆえ、いったん「措定」をしたのち、論を展開するの である。
誰が、どこから見ても完璧な論文は、存在しえず、大家の
書いた文章でも、何かしら批判を受けることは珍しくない。
大切なのは、それに対して、どう反論をおこなうかである。
叩かれても、反論し、時に詰めの甘さを反省しながら、
このような営みを繰り返す中で、ロジカル・シンキングが
鍛えられ、論文の精度が上がっていく。
この過程を、享受しうるようになったら、その時こそ研究者
として成熟したといえるのかもしれない。
雲場池(軽井沢)