先日、原発問題の関係で、山口県・祝島(いわいしま)に
ついて書いた。
かけがえのない自然を破壊してでも、経済や利便性を優先
しようとする外部からの動きに、地元の人が、本気で怒り、
抵抗する姿は、われわれが失くしてしまった大切なことを
教えてくれるようであった。
スピードの加速する都会暮らしに疲弊し、スローライフに
ひかれる人は、少し前から増えていたが、折からのパンデ
ミックによる教訓もあってか、思い切ったライフシフトを
試みる動きが顕著になっている。
そのような中、離島への移住が、静かな人気だ。
自治体も、過疎化の流れを食い止めるべく、特典等を設け、
支援をおこなっている。
日本列島は、その名の通り、数多くの島から構成される。
日頃は、意識することもないが、本土5島を除いた離島の数
は、何と6847にものぼり、そのうち人が住む島は、416島。
人口は62万人。
大都会のイメージがある東京にも、有人の島が11も存在し、
フェリーや飛行機を使えば、日帰りで観光もおこなえる。
院生時代に知り合った友人は、小笠原諸島(おがさわら
しょとう)に魅せられており、現地における日本語と英語の
混合した固有の言語や、日本の他の地域には見られない圧倒
的な自然の勢いについて、熱っぽく語ってくれた。
私は以前、猿島、初島、城ヶ島、五島へ行ったことがある。
どの島も、そこを巡るだけで、開放感は格別だった。
閉塞感漂う現在だからこそ、住むのは無理でも、近い将来、
あのような場所を再訪したいと願う。
その時、平生の暮らしでは、見えなくなっている何かに
出会うのかもしれない。
香川県の小豆島(しょうどしま)には、
1908年にオリーブが移植され、オリーブ油
の製造は、同地の基幹産業となっている。