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いつもの5月なら、陽光が降り注ぎ風もさわやかで、

いちばん過ごしやすい季節のはずなのに、今年はやけ

に雨が多く、天気が不安定だ。

何でもラニーニャ現象により、梅雨が早く到来する

かもしれないとのことで、少々落胆している。

だが、今日は久しぶりに青空が広がり、外を歩いて

いると空気もさらっとして心地よかった。

コロナや終わる気配のない東欧の戦争の影響で、

何があっても、心からよろこぶ気持ちになれないの

は事実だが、敏感になっていればこそ、明るい天気

を救いに思う。


事務所の猫も、天気の良い日は、興奮したように

部屋を飛び回っている。

さて、今週末に、学習者の方から卒業論文の原稿が

送られてくる予定だったが、日本への入国の準備等で

書けていないとの連絡が入った(涙の絵文字つき)。

計画が後ろ倒しになっているので、できれば早く目

を通したかったが、ようやく日本に入国できるのは

幸いなので、もうしばらく待つことにした。


一時期は、鎖国状態のようであった国と国の境にも、

光が射したようで何よりだ。

ところで、最近、息抜きに、科学者の書いたエッセイ

を読んでいる。

これがなかなかたのしくて、ランチを食べながら、

片手でページをめくったりする。

以前に何度か言及したが、これまででいちばん印象に 残ったのは、フリーマン・ダイソンの文章だった。

日本の科学者では、大学入試や大学院入試に好んで出題

される寺田寅彦(てらだとらひこ)の著書を、過去に 何冊か読んだ。

しかし、世間の評価が高い割には興味が湧かず、正直、

肩透かしをくらったようにも感じたのである。 「正典」の陥穽(かんせい)ということだろうか? 読了したばかりの朝永振一郎(ともながしんいちろう) 著『見える光、見えない光』は、やはり、原子力研究に 関する章に含蓄があった。 寺田は、科学者である一方で、教育者や作家の仕事にも

力を入れているが、朝永においては、研究が9割を占めて

いるのが特徴的である。

文章なども凝ったものではなく、無頓着に近くさえあり

ながら、衒(てら)いのなさに、かえって真実味が感じ

られ興味深い。


 内村鑑三(うちむらかんぞう)教会

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