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  • 日本語空間

ゼミ・研究室選びのポイント

これまで論文執筆のサポートをしてきた外国人学生の

中には、担当教員とうまくコミュニケーションを取れず、

研究が停滞してしまっている人がいた。

 

確かに、外国人の場合、日本語でコミュニケーションを

取らねばならず、不慣れなこともあろうが、日本人学生

の中にも同様な問題は少なからず存在する。

 

とくに院生の場合、それは死活問題ともなる。

 

なぜなら指導面にとどまらず、学位授与の「審査」には、

主査として担当教員が必ず入るため、良好な関係を築かねば

ならないからである。

 

どのような大学、大学院、専門分野で学ぶかによりポイント

は異なるが、自身の経験から、以下に、担当教員を決めるに

際しての要(かなめ)を述べたい。

 

まず大学の場合には(3年次からゼミに入ることになるが)、

専門性や、指導能力以上に、教員の「人柄」が大切だ。

就職活動を配慮し、出席やゼミ活動に厳しすぎないのは

ありがたいことだし、学生本人が、先に企業での内定を

取っているなら、あとは卒業論文をクリアするだけなので、

最上の内容でなかったとしてもせめて合格点をくれる教員は

好ましい。

 

大学院の場合には、基本的に、専門分野が同じであっても

テーマまでぴったり合う教員を見つけることは意外にむずかしい。

現実に、つける教員が見つからず、進学を断念するケースも

あるほどだ。

だが、専門性が一致しても、研究が円滑に進むとは限らない。

 

もし専門性だけでなくテーマまで一致した場合、こまやかな

指導が望める反面、研究において師と大きく異なるアプローチ

をするのはむずかしくなるかもしれない。

対照的に、師には素直に従い、業績を上げれば、より面倒を

見てもらえるという現実的なメリットがあるだろう。

 

しかし、そもそも大学院での研究は、学生であっても研究の

「自立」を前提としている。

 

それゆえ、専門が合わなくとも、研究室に籍だけ置かせて

もらい、学外に出て(たとえば他大学院のゼミに入れて

もらったり学会での交流を盛んにおこなったりする等)

より能動的にみずから道を切り開くという方法もある。

学際的なアプローチを採っている研究者には、このパターン

が少なくない。

 

学校の「看板」や、先生の高名さも、ある程度は当てになる

かもしれないが、すっかり信じ込んでしまい、後になって

「こんなはずじゃなかった」という事態に陥らないよう、

相手に期待しすぎず、自立した研究を基に置くことが肝要

と考えられる。













研究者なら誰でも訪れる国立国会図書館

(複写及び郵送サービスも利用できる)

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