先週、事務所の猫を連れて近くの公園へ
出かけたら、10月だというのに蝉の声が
まだ聞こえていた。
一方、木々の葉は色づき始めていて、
歩いているとどこからともなく金木犀
の香りが漂ってくる。
去り行く季節と来たる季節が、束の間
交わるような自然の空間にいるのに
気づく。
先日の授業で、日本では「○○の秋」と
いう表現があると話した。
スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋、食欲
の秋という風な。
勉強の秋とは言わないが、エアコンも不要で
清澄な空気が漂う時、集中して頭を使うには
もってこいだ。
「研究」と一口にいっても、文理の別や分野
の異なりにより、その内容はさまざまだが、
自身にとってのそれは論文執筆が圧倒的な
比率を占めてきた。
しかし執筆をおこなうと言っても、資料を集め、
それらを検討し分析を経た後、いきなり
wordの画面に向かうのではない。
情報過多の日々、頭の中には研究に関する
ことのみでなく、雑念を引き起こすような
ニッチな情報も紛れ込んでくる。
それらを追い払い、いかに研究に没頭するか?
どうしても集中ができないときは、思い切って
PCから離れ、清澄な空気を吸いに表へ出る。
大切なのは、スマホも持たないことだ。
そうして、頭の中のごみを振り捨てよう。
今年の夏は、記録的な猛暑だっただが、
そんな時には恨めしく感じた季節に、今は
恩恵を与えられている。
2000キロの旅をするというアサギマダラ