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「若者のすべて」

今日は、少々趣向を変えた音楽の話です。


まず、ポピュラー音楽に関心がない人には、おもしろくない話

かもしれないことを、最初にお断りしておきます。


伝統文化があれば、また新しい文化もあり、その中で対抗文化

(カウンターカルチャー)は、性格上、より若者にアピールする

ものでしょう。


9月のはじめ、フジファブリックの「若者のすべて」が、高校の

音楽の教科書に掲載されることになったと、NHKが報じていました。



夏の終わりの最後の花火大会が、テーマとなっている同曲は、

季節感が色濃く、スローテンポで歌いやすいこともあり、複数の

歌手にカバーされています。


想像したのは、自身が学生時代にこのバンドの曲を愛聴した人が、

音楽と教育に関わる世界に身を置くようになり、同曲を推したのか?

ということ。


実は、フジファブリックといえば、より鮮烈な印象を刻むのは、

「銀河」の方でしょう。

しかし、こちらは学生の合唱などには不向きですね。



ボーカルの志村正彦さんは、2009年の12月に急逝をしました。


死因に、不整脈が考えられていますが、「銀河」のテンポは、

自分を追い込まないと曲作りができなかったという志村さんの

パルス(脈)とつながっているように感じられます。

ライブでは、さらにテンポを上げ、過呼吸のようになりながら

歌っているので・・・


バンドブームが、世界レベルで、退潮期にさしかかっている中、

日本は、まだそれが続いている貴重な地域だと、あるアメリカ人

が指摘していました。


少し前に、偶然、Cody Leeの「我愛」を聴いたとき、これは、

フジファブリック・チルドレンではないか? と感じたのですが。



Noteに、ボーカルの高橋響さんが、バンド活動に行き詰まり、

山梨県にある志村さんのお墓までいったところ、戒名の一部に「響」が

入っているのを見て立ち直れた、と書いていて、納得しました。


大学の音楽科で学ぶ学生をメインに結成された同バンドは、今春に、

その活動を、大学側から表彰されたそうです。


ヤユヨも、偶然、ミュージックビデオを目にし、歌詞の秀逸さと楽曲の

完成度に驚かされました。

ただ、あまり「歌もの」に寄らず、完結し過ぎず、バンドサウンドを堅持

してほしい気も。



No Busesは、洋楽っぽいといわれることが多いものの、闊達なバンド

サウンドと脱力感のあるボーカル(歌い上げたりしない)の組み合わせは、

むしろ日本のバンドの一典型といえるでしょう。

Rolling Stone誌にも取り上げられたそうですが、本人たちは至って淡々

としているようです。



伝統的な日本的感性?「そこはかとなさ」は、どのバンドにもみとめられ

ますが、21世紀の気分は、それにプラスした「抜け感」かもしれません。

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