年末は、バタバタと過ごすうち、気がつけば除夜の鐘
ならぬ船の汽笛と花火の音が聞こえてきていた。
厳かな寺の鐘ではなく、開放的な気分で呼び交わす
汽笛と景気よく打ち上げられる花火の音は、いかにも
港町らしい。
これまで1週間に最低1回はブログを更新していたのだが、
12月は、仕事がにわかに忙しくなったのと月末は体調を
崩していたのとで、更新が滞ってしまった。
冬の乾燥に体がまいっていたところ、大みそかの明け方
に恵みの雨が降ったおかげで、少し回復している。
さて年頭にあたり、何をテーマに話そうかと迷ったが、
やはり基本に立ち返り、アカデミックな論文に必要な
四つの要素を確認したい。
「正確さ」「構成」「論理性」「新規性」は、どれ一つと
して欠けてはならず、しかしこの四点が兼ね備えられた
論文は、間違いなく高評価を得ることができる。
慣れないうちは、内側からそれをチェックするのは至難
の技かもしれないが、結局は、書くことを繰り返し慣れて
いくことが肝要なのだ。
急がば回れの気持ちで、先を焦らず、じっくり取り組む
ためには、時間の余裕を持って計画を立てることも必要
である。
時計が12時になると同時に、窓を開けると、夜の空気が
室内に流れ込んできた。
冷たいけれども、雨後の湿り気を帯び澄んだそれを胸
いっぱいに吸い込むと、あらたな活力が湧いてくるのが
感じられたのである。
鈴木其一『群鶴図屏風』