top of page
  • 日本語空間

締め切り、それは...

締め切り、それは、きつい「縛り」であるとともに、この上ない

カタルシスをもたらす「解放」! …といいたい。


学位論文のほかに、修士課程ともなると、研究業績を意識して、

意欲的に論文の投稿をおこないます。

研究業績が増えてくると、ときには、外部から「寄稿」の依頼を受ける

こともあります。


以前書いたように、私は、自身が志した分野の先行研究がほとんど

なかったこともあり、1人の教員に師事する経験を持ちませんでした。

出発からして、太平洋に木の舟を浮かべ、ひとり漕ぎ出すといった風

だったのです…今思えば。


しかし、専門外ではありながら、リファレンスを多く持つベテランの

教授―研究者を育てる意思のある―に出会い、研究を進める上での

「基」となる貴重なアドバイスを得ました。

なかでも「活字化されたものを増やしなさい」という教えは、有意義

なものでした。

→「論文」でなく「活字化」という広い枠の示唆(しさ)!


そこで、投稿論文以外にも、こちらから声をかけてニュースレターに

記事を書かせてもらったり、書評などをおこなったりするうちに、

全集の月報や雑誌への寄稿を、依頼されるようになりました。


つまり、自分自身で、学位論文の完成という「大きな締め切り」と同時に

「小さな締め切り」を、可能な限り作っていったのです。


そうやって、心の「張り」を保つことは、モラトリアムになりがちな学生

生活―同時にそれこそ学生の特権で、Viva!ですが―には、大切であった

と考えています。


締め切りができると、生活は、それを中心に回っていく。他のことは、

すべて後にして。

しかし、締め切りがあるのは「救い」。

なぜなら、一度勢いづいたら、締め切りがない限り、延々と書き続けている

でしょうから。













  風祭哲哉 撮影「宗谷の白い貝殻の道」


北海道の宗谷岬(そうやみさき)は、日本の

北端(ほくたん)に位置します。

鹿の足跡(あしあと)の先には、日本海の

大海原(おおうなばら)が広がっています。

  

閲覧数:21回0件のコメント

最新記事

すべて表示

師への逆質問

「逆質問」ということばからは何が思い浮かぶか? 大学生以上であれば、まず就職活動の面接時における それが、すぐに思い浮かぶだろう。 面接の最後に、面接官から「何か質問はありますか」と 聞かれた際、「周到に」用意した質問を「自然な」感じで 返せればスマートだ。 それは、現実に知りたいことを単に質問するのでなく、 質問内容により自分自身を相手に印象づける機会となる。 採用の可否は、総合的に判断されるの

bottom of page