コロナが発生してから、外出、特に遠出の機会が減り、
家や事務所にいる時以外は、近場を歩くことが多くなった。
そのおかげか、「自然」に目が向くようになり、以前は
あたりまえに感じていた恩恵を、かけがえのないものと
考えられるようになったのは、不幸中の幸いといえる。
季節の移ろいにも敏感になり、室内に金木犀の香りが
流れ込んでくれば、しみじみ秋だなと思う。
近所の家では、庭に柿を植えているところが多く、今、
枝もたわわにオレンジ色の実がみのっている。
とてもおいしそうに見えるのだが、ふしぎなことに、
それらの家では、申し合わせたように皆、実を取ろうと
いう気配がない。 そうして、地面に落ちるか、からすに突つかせるままに
しているのである。
秋といえば、イベントの多いシーズンでもあり、この港町
は、ほぼ毎週末何かしらのイベントで盛り上がっている。
めずらしいところでは、先週末、きのこ祭りが開かれた
ようだ。
少し前に、きのこマニアがいるという話を耳にしたのだが、
単に消費するのでなく、研究などと結びつけているのは
興味ぶかい。
さて、私自身にとって今年最後の論文も、脱稿を済ませ、
後は校正を待つばかりとなった。
それが活字化したら、恩師に、挨拶を兼ねた報告をしたい と考えている。
学習者の方の論文も、終章の案が練られてきて、非常によい
手応えだ。
理想と現実には、懸隔があるが、優秀な学習者に巡り会えた
おかげで、丁寧に話し合いを積み重ね、ここまで大切に文章
を運んでこられたことをよろこばしく思う。
この論文も、豊かに熟し、ほどなく収穫の時を迎えるだろう。
この「きのこ大祭」は各地で開かれている。