日本語空間15 時間前2 分光いつもの5月なら、陽光が降り注ぎ風もさわやかで、 いちばん過ごしやすい季節のはずなのに、今年はやけ に雨が多く、天気が不安定だ。 何でもラニーニャ現象により、梅雨が早く到来する かもしれないとのことで、少々落胆している。 だが、今日は久しぶりに青空が広がり、外を歩いて...
日本語空間5月7日2 分コンテクストの中で考えるゴールデンウィークも明日で終わる。 新年度は4月からだが、実際、どこでも本格的に学業や 仕事が開始されるのは、連休明けからだろう。 緊張と期待の入り混じるシーズンでもある。 昨晩も、課題にしてあった短い論述を、授業の中で添削 しながら解説をおこなった。...
日本語空間4月9日1 分儚(はかな)い事務所の猫の顔をじっと見つめていると、猫の方からも 負けずに? 見返してくる。 保護したばかりのころは、野生がまだ強く、警戒心からか 必ず目を逸らされていたのだが… 最近は、ふとそんな猫の表情が、人間そっくりで驚くこと がある。...
日本語空間4月3日2 分中心/周縁春は天気が変わりやすい。 昨日も予報が外れ、夜から雨となった。 しかし、春の雨は、季節が明るい方に向かう兆しを はらみ、優しく降り注ぐようだ。 その音を耳にしながら、眠りに就くのは、ふしぎと 心地よい。 一方で、混沌とした世界の状況を見やれば、自分だけ...
日本語空間4月1日3 分不可視の領域から先週は、日本各地で大学の卒業式がおこなわれており、 人数制限をしつつも、多くの学校が対面形式を用いて いるようすがうかがえた。 いくつかの動画を見たが、卒業生の一部がユニークな 仮装をこらす一方で、含蓄のある総長のことばが好対照...
日本語空間3月6日2 分みじかい青春の形見(かたみ)にこの季節になると、メディアが報じる卒業の風景に、 岐阜(ぎふ)県高山市の斐太(ひだ)高等学校で、 毎年おこなわれている「白線流し(はくせんながし)」 がある。 在校生と教員、親が対岸で見守るなか、卒業生の男子は 学帽の白線を、女子はセーラー服の白スカーフをはずし、...
日本語空間3月2日2 分サクラサク3月1日は、昨年末から大学院入試対策をおこなってきた 社会人の方の合格発表の日でした。 結果を、今か今かと待ちわびていましたが、夕方にメール が入り、めでたく「合格」の知らせが!! 一足早く、桜の花が咲いたようです。 大学、大学院の入試対策は、各人の専攻や試験形式、どれ...
日本語空間2月20日2 分一雨(ひとあめ)ごとに先週、恩師の論稿を校正する仕事を引き受けた。 昨秋、別な論稿の校正をおこなったが、今回も字数が 10万字を超えるものであるため、時間がかかるだろう と思われる。 校正のいわゆる鉄板は、1頁あたりの文章を、どこまでも 時間をかけ直していくのでなく、いったん大体をチェック...
日本語空間2月15日2 分春を待つ心寒禽として鵯の鋭声かな (かんきんとしてひよどりのとごえかな) 高浜年尾 (たかはまとしお) 先週、みぞれ混じりの雪が降った日、初めて見る野鳥が、 熱心にえさを探していた。 よりによってこんな悪天候の日に、と思ったが、冬でえさに...
日本語空間2月11日2 分オリジナルにこだわり第一歩をしるす!昨夏、東京オリンピックにおいて、エクストリームスポーツと 呼ばれる分野で、日本人の活躍が目立つことに言及した。 現在おこなわれている北京オリンピックでも、昨日、平野歩夢 (ひらのあゆむ)選手が、スノーボードのハーフパイプで、みごと 金メダルを獲得した。...
日本語空間1月9日2 分雪の食べ物今週の木曜日、この冬初めての雪が降った。 風を伴い、終日降り続けたが、翌日には太陽が顔を見せ、 積もった雪はあっけなく消えてしまった―― コロナ発生以降、空気が澄み、見上げる空も、雲が目に しみるほど鮮やかに美しい。 近隣で、野生のたぬきやハクビシンを見かけたのも、...
日本語空間2021年12月25日1 分いと高きところに中学のときに参加した学校見学で、一番印象に残ったキリスト教系 の高校を、迷わず選んで受験した。 聖歌隊の合唱やハンドベルの演奏、そして歴史を経た薄暗い礼拝堂 のたたずまいに魅力をおぼえたからという理由だったが、合格した ときは満足だった。...
日本語空間2021年12月2日3 分冬来たりなば「冬来たりなば春遠からじ」ということばがある。 ロマン派の詩人・シェリーの『西風に寄せる歌』の一節から 取られたもので、「冬が来たなら、もう春は遠くない」の意。 すなわち、どんなに過酷な試練もいつかは過ぎ去り、それに 耐えた者にふさわしい明るい時節が訪れる、と解釈される。...
日本語空間2021年11月28日3 分手仕事・こだわり・共生「芸術の秋」というが、そのシーズンもじき終わる。 この季節にしては暖かい、と書いた2日後、気温が急に 下がった。 昨日は、午後に仕事がいったん片づいたので、先日 フライヤーをもらっていたアートフェアなるものを見よう と、暗くなる前にあわてて外出した。...
日本語空間2021年11月26日3 分遊歩者(ゆうほしゃ) 風景を見る/読む今年の秋は、例年よりずいぶん暖かい。 エアコンを使っていないのに、事務所の温度計は16℃を 示していて、オンラインで授業を受けている韓国在住の 学習者の方に言ったら、「こちらは2℃です」と驚かれた。 昨年の今頃は、晩秋らしい底冷えのする日が続き、毎日...
日本語空間2021年11月9日2 分ある程(ほど)の・・・春から夏にかけ咲く花は、太陽の下、とりどりに輝いて見えるが、 秋に咲く花は、見過ごしてしまうほど慎ましやかな佇まいのものが 多い。 それでも、ウィズコロナの日常にあり、行動範囲が狭まった反面、 身近な自然におのずと目が向くようになったためか、夜に小道を...
日本語空間2021年9月23日2 分それでも日々は続く月曜日の晩、猫が、2度目になる家出(いえで)をした。 事務所のドアを開けた途端、隙間から外に飛び出してしまい、近くを ウロウロしたのち、自分から戻ってきた。 1時間ほどのささやかな反抗? その間、焦って何とかつかまえようと、ずっと後を追った。...
日本語空間2021年8月31日2 分夏の終わりに今年の夏も、やはりコロナは終息しなかった。 それ以前であれば、焼けつくような日差しに、生きとし生ける 者の息吹を感じながら、毎日を過ごしただろう。 だが、感染の危険を常に意識しながら、暑さは、重苦しさに変じ、 結局開催されたオリンピック・パラリンピックも、心底楽しめは...
日本語空間2021年6月29日1 分目に映る世界コロナの感染拡大以降、『日本語空間』の授業も、すべてオンライン 形式となった。 パンデミックがもたらした災禍の大小は、数え上げればきりがない が、行動範囲が一時的にせばまったことで、目に映る景色が変わり、 「見落とし」という現象について、気づかされる機会を与えられた。...
日本語空間2021年5月7日1 分饗宴(きょうえん)昨年と同じく、コロナ禍の状況で、GWも あっという間に過ぎました。 しかし、5月は、1年でいちばん過ごしやすく、 降り注ぐ陽光に、新緑と花々の美しい季節。 このような折であるからこそ、すべての人に 等しい恵みが、一層ありがたく感じられ…...