日本語空間2 日前2 分人と「被(かぶ)らない」ということ人間の行動様式は、人間という種ならではの性質に基づく と言えるが、それ自体、仮のノルム(規範)であり、絶対 不変のものではない。 極言すれば「移ろう」ものなのであるから、その意味では、 型にとらわれすぎるべきではないだろう。...
日本語空間3月2日2 分坂道の途中でコロナ(covid-19)は、基本的に災禍以外の何もの でもないと思われているが、それがもたらした 「恩恵」もあるのではないか、と、発生直後から 3年余りを経た現在、感じられることがある。 そのひとつは、多くの人が首肯しうるだろう 以前の生活の見直しだ。...
日本語空間1月19日2 分口頭試問に臨む口頭試問のシーズンである。 数年前から、働く外国人の大学院進学が増えてきたが、 入試に際しては、筆記試験と面接、もしくは学習計画書 提出と面接のいずれかの形式で受験をおこなう。 筆記試験がないとラクそうだが、実際は、学習計画書...
日本語空間2022年12月18日1 分秘境(ひきょう)が招く生まれた時から住んでいる国は、慣れていてめずらしく ないせいか、いつか行けるだろうという気持ちがある からか、意外にあちこち出かけていない。 かえって外国人の方が、短期滞在であっても(あるから こそ?)日本の各地を旅行しているようで、そんな...
日本語空間2022年11月25日2 分ことばの多義性あることばが、文脈により異なる意味になるのは、 どの国の言語にもありえることだろう。 最近、興味深く感じたのは、「カルチャー」という ことばの用い方だ。 ここでの場合、頭高でなく平板型で発音される。 カルチャーは、直訳すれば文化だが、組み合わされる...
日本語空間2022年9月28日2 分世相(せそう)昨日、図書館へ行き本を読んでいると、図書館員 が早足で通路を行ったり来たりしていた。 返却された本を書棚に戻したり、本を整理したり するのは、普段からめずらしくないことだが、 あまりに頻繁過ぎて妙な雰囲気なのである。 来館者を見てないようで見ていることもあり、...
日本語空間2022年8月25日1 分あたらしさは常態に先々週から先週にかけて、学習者のうち 2人がコロナに感染した。 だが、2人とも、完全に治りきらないうち に、いつも通り授業を受けるというので 少々驚かされた。 無理をしない方がよいのでは、と伝えた のだが、結局、休みたくないという意思を 尊重することにした。...
日本語空間2022年7月31日2 分あらゆる可能性に賭けるコロナ感染者が、過去最大となる中、体調不良を訴えて いた事務所のスタッフが、コロナの検査で陽性となった。 もしや私も、と心配していたが、不幸中の幸いというか、 一応感染からは免れた。 ニューノーマルが、かなり浸透してきているとはいえ、...
日本語空間2022年7月23日1 分分断か多様性か前首相の葬儀を国葬にするという政府の決定に対し、国民や 野党から、反発の声が上がっている。 情報化社会に身を置くと、それ以前のことが、リアルに感じ られないほどだが、情報の渦に流されそうになっても、客観的 な判断力を持つよう努めたいものだ。...
日本語空間2022年7月17日2 分読書と「対話」梅雨に後戻りしたような雨の日が続いていたが、 今日は、一転して青空が広がった。 授業の前に、飲み物を買いに外出すると、 なぜか春にはあまり聞かなかったウグイスの声 が響いていた。 原稿の締め切りが目前に迫り、現在は、授業の 合間に、推敲を重ねている。...
日本語空間2022年7月14日2 分エンパシーの重み今日は、夕方から夜にかけ授業が続き、終わったのが 午後10時40分。 外国人学習者の方たちから、今回の元首相襲撃事件に ついて、あれこれ質問を受けたので、自分なりに思う ところを述べた。 先日のブログでは、「テロル」という表現をもちいたが、...
日本語空間2022年7月10日2 分転変、そして転変今日も寄稿の文章を書きながら、単に自分自身の「専門」 に閉じこもり、超越的な態度を取るわけにもいかないの ではないか? と焦りにも似た思いが胸をよぎった。 終息しないパンデミック、外国での戦争、国内でのテロ といった出来事を目の当たりにして――...
日本語空間2022年6月19日2 分文化はかたちを変え継承される1か月のうち、複数回足を運ぶ場所といえば、やはり 図書館です。 ここ2年ほどは、コロナの影響から、母校の図書館には 足が遠のいており、もっぱら市立図書館を利用しています。 現在は、県立図書館が改装中で使用できないため、物足り...
日本語空間2022年4月12日2 分書きことば的に話す週末から、気温が一気に上がり、夏日との報道もあった。 今日も、最高気温は26度。 事務所の猫は、元気よく跳ね回っている。 私自身は、まだ原稿が仕上がっていないため、春の到来を 満喫する余裕はないが、エアコンを使わなくていいのは、 快適だと感じる。...
日本語空間2022年4月3日2 分中心/周縁春は天気が変わりやすい。 昨日も予報が外れ、夜から雨となった。 しかし、春の雨は、季節が明るい方に向かう兆しを はらみ、優しく降り注ぐようだ。 その音を耳にしながら、眠りに就くのは、ふしぎと 心地よい。 一方で、混沌とした世界の状況を見やれば、自分だけ...
日本語空間2022年3月27日2 分文章の力研究会に送る原稿の締め切りが、4月中旬に迫っているにも かかわらず、なかなか手がつけられないでいる。 元々、書き始めるまでの助走が長いほうで、可能な限り参考 文献に目を通し、全体の見取り図が決まったら書き出すのが 常なのだが、今回はどうにも重い腰が上がらない。...
日本語空間2022年3月13日2 分過去から未来を照射する心穏やかでない日が続き、ブログの更新が遅れに遅れて しまった。 刻々と移り変わる世界情勢から目が離せないここ2週間ほど、 以前に読んだ本を再読し、何かしらの示唆を求めている。 先日の『空震』に続き、現在、再読しているのは、 『アフター・ヨーロッパ――ポピュリズムという妖怪に...
日本語空間2022年3月9日2 分『空震』ふたたび3月に入り、気温が上がってきて、天気予報によれば日曜日 には20度にもなるようだ。 窓を開けると、どこからともなく花の香りが漂ってくる。 先日、寝不足で、事務所の椅子に座ったままウトウトして いたら、微かな振動が伝わってきて目が覚めた。...
日本語空間2022年2月26日2 分言説か現実か昨日ニュースを見ていたら、国際情勢の解説者が、念を押すように 「いいですか。まず、いきなり具体的な状況を押さえるのでなく、 われわれは『言説』に警戒しなければならない、ということです」と ことばを区切りながら述べた。 つまり、ある国家の代表が「○○が○○を迫害している」、...